第3回 居住環境学科教員による地震報告会の開催 | 居住環境学科な日々

第3回 居住環境学科教員による地震報告会の開催

昨年の4月の平成28年熊本地震の後,教員がどのようなことを考えて,震災の後の教育,研究にあたっているのか,と学生達と共有したいと考えて,昨年6月15日に第1回の,12月21日に第2回の報告会を開催しました。

今日は,その第3回を実施しました。参加者は,居住環境学科の全学生です。

 

最初に,半藤学長から一言。半藤学長は,学長に就任した直後に,地震が発生したので,この2年近くの間,熊本県立大学の復興作業の陣頭指揮をとり続けています。

 

最初は,北原昭男教授。「伝統構法木造建物における地震被害の特性」がテーマです。熊本城などの超有名建築物以外の町屋などをどのように残していくか,が大きな課題とのことでした。

 

次が,田中昭雄准教授。テーマは,「災害避難施設ライフライン強靱化の課題」でした。熊本地震では,たまたまライフラインの復旧はそれなりに早かったけれども,もし違う場所で起これば?,もし10年くらい後だとどうなるか?,との問題提起には考えさせれました。

 

3番目は,佐藤哲准教授。「熊本地震と被災者の住まい」とのテーマでした。今回は,特に福祉避難所のお話しが気になりましたが,要配慮者だけではなく,近所の方々も沢山お世話になったそうです。そういえば,熊本県立大学にも,多くの方々がお見えでした・・・。

 

4人目は,鄭一止准教授。テーマは「被災地における小学生の通学路及び通学支援」。鄭准教授は,地震が発生した当時は,別の所属で,この4月からの赴任です。でも,早速復興に関するテーマで研究を開始し,今日はその発表とのこと。いろんなところに,問題が出ていたこと,出ていることが良くわかります。

 

最後は,柴田祐教授の「農村集落における復興まちづくり」。スライドの写真は,立野地区の模型で,昨年度に,柴田研究室や学生達が長い間かかって完成したもの。地域の皆さんとの話し合いで使われたそうです。「ちょっとだけがんばることの大切さ」という話が大変気になりました。

 

居住環境学科の1年生は,初めて聴く話ばかりだったと思います。2年生は,入学直後に地震にあったことを思い出したかもしれません。4年生は卒業論文・卒業設計の追い込み時期で参加がちょっと少なかったようですが,学科の学生の皆さんに,教員の考えや思いが伝わると良いな,と思います。

 

最後は,松添学部長からの一言。環境共生学部長の松添教授も,就任直後に地震があったので,学部の復旧,復興の陣頭指揮を執り続けています。学生達に,その思いを伝えることの重要性を考えて,今回も参加,ということなのだと思います。