『平成28年熊本地震 居住環境学科教員による報告会』の開催 | 居住環境学科な日々

『平成28年熊本地震 居住環境学科教員による報告会』の開催

地震が起きて,2ヶ月が過ぎようとしています。大学では,すっかり普通に授業が進められていますが,まだまだ避難所に避難されている方も多く,被害の復旧,復興もまだまだです。少しずつ前に進んで行けば,と思います。この時期に,震災に最も関係の深い居住環境学科の教員がどのようなことを考えているのか,を学生達に伝えよう,ということで,報告会を実施しました。

居住環境学科の1~4年生,大学院生の全学生に声をかけました。もちろん,地震の話ですので,聞くのが難しいという学生には,参加しなくても良いと話しています。最初に,松添学部長の挨拶があり,

トップバッターは,柴田准教授。『農村部を中心とした被害状況調査について』がテーマです。

多くの学生達が参加してくれました。ほぼ全員ではないかと思います。

普段の授業とは違って(このブログの管理人の授業だけかもしれませんが),学生達も真剣です。既に,教員たちが進める調査に参加,協力している学生も多いようですし,本当に目の前で起こったことですから,真剣さも違うのだろうと思います。

熊本では,地震は少ないと言われてきたそうなのですが,実はそうでもなく,上手く次の世代に伝わっていなかったのでは?という柴田准教授。学生達には,これから皆さんが伝えていって下さい,と話していました。

農村計画を専門とする柴田准教授は,地震後,毎日のように,各地の集落を訪問し,被害状況調査を続けているそうです。その結果を,多くの写真を使って紹介してくれました。

2番手は佐藤准教授。テーマは,『避難所の環境改善提案について』です。

佐藤准教授は,東日本大震災も経験。人生で,こんな大きな地震を2度も経験するとは・・・,とのこと。

建築計画を専門とする佐藤准教授は,まずは近所の避難所に支援に入り,プライバシーが確保できるように,パーティションを作成したそうです。その後,熊本市からの依頼で,熊本市の拠点避難所のレイアウトを考え,学生と共にパーティションを作成したそうです。

最後は,田中准教授。『避難所の環境測定について』がテーマです。

田中准教授は,この4月の赴任。赴任してすぐに被災してしまいました。赴任後の片付けもできない時の大きな地震でした。

建築環境工学・建築設備を専門とする田中准教授は,前半2人とは少し違って,主にこれからの研究計画を話しました。当初は,携帯やスマートフォンの充電が求められていた避難所も,時が経つにつれて,求められるものが変わってきます。いまでは,全ての避難所にエアコンが設置されていますが,これらのライフラインのあり方について,今後研究を進めていく計画だそうです。

このブログの管理人は,司会進行をしているだけでしたが,3人の報告を聞いて,大変勉強になりました。自分自身ももっとしっかり向き合って行かなければ,と改めて思いました。忙しい中,準備が大変だったと思いますが,3人の報告者には深く感謝したいと思います。ありがとうございます。