ブルジョア、許すまじ 金持を喰いちぎれ | Mの国より愛を込めて

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高級レストランのウエイターをクビになったアレックス

金持ちのイヤミにキレた彼は街の外で同士を探す事に

一方、人気の剛腕議員を落とすための暗躍が動いていた

 

 

 

 

 

 

鑑賞日 2023年9月9日

映画館 キネマ館

 

世の中何にしてもお金が付きまとうモノ。

しかし、十数年は貧富の差が拡大し金持が幅を利かせるご時世になっています。

やっぱり金儲けが全てのヤツはク〇だな。

 

そんなクソ制度の考えに基づく新自由主義ですが、先進国で最初に取り入れられたのがイギリスのサッチャー政権時代。

その貧富の差が開いた時代に作られたのが本作。

 

・・がなぜかこの度デジタルリマスター版が上映される運びとなったようです。

 

しかしながら、今見てもそのセンスは輝きを増しているのがなんとも。

 

本作のポイントは権力と貧民。

イケメンウェイターを売りにしていた高級レストラン「バスターズ」で働いていたアレックスだったが、失敗が重なりクビに。

アレックスが路頭に迷う一方、人気急上昇中の内務大臣のノッシュが持ち前の悪乗りと剛腕でテロを鎮圧し話題になっていた。

ソ連のスパイとしてノッシュを失脚させるべく活動していたイギリス情報機関だったが、それらの行動が全てノッシュの人気に繋がってしまっていた。

後が無くなった情報機関だったが、アレックスが生活保護担当者を殺害し指名手配犯となっている事を知る。

そこでアレックスを陰ながら支援し、ノッシュのスキャンダルに繋がるよう仕向けることに。

その後仲間を引き連れたアレックスは古巣のバスターズを乗っ取り「イート・ザ・リッチ」をオープン。

瞬く間に金持ちの間で人気店になるも、その裏ではアレックス達の復讐が行われていた。

一方のノッシュも酒癖の悪さに妻が激怒、彼なりに追い込まれていた。

 

果たして感力者の貧民の行方は?

 

本作は無職になってしまったゲイのアレックスと権力を使い放題のノッシュの二面性がポイント。

次第に反政府に傾倒していくアレックス、過激な発言と豪快っぷりから人気大臣となったノッシュ。

どちらかというとノッシュの方が主となっており、ソ連のスパイである情報機関によりあの手この手のスキャンダル作戦がことごとく失敗してキーとなる様子が展開されます。

最もノッシュ自身も酒癖の悪さからのトラブル続きで愛する妻から白い目で見られているのが気になっているようで。

 

見どころは後半、バスターズ襲撃。

同士を得たアレックスはついにブルジョアに対して決起!

反逆の狼煙は古巣のバスターズ、コケにされた恨みを晴らすとき!

事が起こっても最初は演出と勘違いする様子だったものの、それが恐怖に塗り替わっていく様は・・

 

気になった点は中盤は完全にノッシュの物語になってしまっている事。

先に書いた通り情報機関によるスキャンダル作戦が中心のシーンとなっており、豪快な展開を見せるノッシュとは裏腹にアレックスは田舎で革命を夢見ているというくらい。

もっとアレックスの方にもドラマがあっても良かったのかと。

 

全編通してブラックユーモアと不謹慎が渦巻いている本作。

結構度を越えた展開も多く、特に日本人だと全く楽しめないという人も多い作品だと思います。

 

しかし、本作はイギリス映画。

 

元々人権よりスキャンダルといった他人の秘密の話題が大好きなで、それを娯楽として楽しむという作品が多い国です。

 

他国の芸能事務所の社長の性癖すら娯楽にして楽しむお国柄ですし。

 

ブラックユーモアこそイギリスコメディの醍醐味だぜ!というマニア向けの作品ですが、楽しめる人は大いに楽しめます。

 

 

 

 

同じくサッチャー政権時代に炭坑労働組合に対する圧力をゲイの集団が手助けしたという話。