人気モデルのヤヤの尻に敷かれていたカール
そんな折豪華客船に乗る機会が舞い込む
しかし、散々な出来事が積み重なり無人島に流れ着くが?
鑑賞日 2023年4月16日
映画館 キネマ館
世の中すべて金次第。
それはお金があれば何でも買えるし大抵のことが出来ます。
が、それは貨幣価値が有効である場合のこと。
お金の価値が担保されていない状況だと単なる紙切れになってしまいます。
本作はそんな大逆転が起こってしまう作品。
カンヌでパルムドールを取ったことで話題になった作品でもあります。
本作のポイントは価値の転落。
売れないモデルのカールは恋人で人気モデル&インフルエンサーのヤヤとの関係にギックシャクしていたことに悩んでいた。
そんな折、豪華クルーズ船の乗船の乗船がプレゼントされセレブ雰囲気を満喫する二人。
しかし、嵐に巻き込まれ船内が騒然とした矢先、海賊が襲撃した結果船が沈没。
無人島に命からがら生き延びたカールとヤヤを含む人々だったが、サバイバル術を持っていたのはトレイの清掃員だけだった。
彼女を中心に社会が形成されていく中、カールは一大決心をすることになる。
はたしてカールとヤヤは無事生き延びることができるのか?
本作は章仕立てで展開しており、1章はカールとヤヤの関係、2章はクルーズ船での出来事、3章が無人島?でのサバイバルとなっています。
なお、登場人物は全員色々頭のネジがぶっ飛んでおり、理性とか常識が全く通用しない作品となっています。
特に2章の中心人物となる船長のあまりのダメっぷりはあきれること必至です。
見どころは中盤、最悪のキャプテンディナー。
形式上船長主催のディナー、しかしアル中過ぎてまともな思考ができなかったため嵐の中開催することに。
まさに阿鼻叫喚の地獄絵図が繰り広げられます。
なお、ゲ〇とク〇まみれの展開なので、苦手は人は苦手かと。
気になった点はクルーズ船の惨事が意味をなしていない事。
結局船が転覆した原因は海賊の襲撃(なぜ手榴弾を使ったのかは分からないけど)が原因。
結果、面白いネタだけのシーンが1時間にわたり繰り広げられる展開になってしまっています。
設定は良いものの、話の展開が非常にもったいない本作。
もちろん資本主義を皮肉るという点ではよい視点ですが、もう一歩欲しかった所です。
余談ですが、本作のヤヤを演じた方は本作撮影終了後にお亡くなりになったとのこと。
印象的な役だっただけにこちらも惜しいと思った次第です。