生きるのに絶望しないために かがみの孤城 | Mの国より愛を込めて

Mの国より愛を込めて

日本のチベット Mの国より
映画の感想やゲームの散財など
Mの国のホットな話題もあるよ!

引きこもりになったこころはある日部屋の鏡に吸い込まれる

その先で似たような境遇の子どもたちと鍵探しをすることに

戸惑うこころだったが、次第に居心地の良さを感じていた

 

 

 

 

 

 

鑑賞日 2023年1月2日

映画館 セントラル

 

引きこもり、それは現在社会の問題点の一つ。

その理由は様々でいじめや就職の失敗や離職、病気など様々。

もっとも日本以外の国の状況がどうなのかが気になる感がありますけど・・

 

本作は引きこもり?になってしまった子どもたちの城で宝探しをする話。

原作は多くの賞に輝いた小説で、原恵一監督の最新作となります。

 

本作のポイントは自分の居場所。

いじめを起因として引きこもりになってしまったこころ。

そんな折、部屋の鏡が輝き吸い込まれると孤城にたどり着き、狼の面を被った少女と出会う。

彼女に連れられ孤城に入るとこころと同世代の子ども達が集められており、彼らと共に1年以内に隠された鍵を見つければ願いが叶うという。

しかし、鍵探しそっちのけでお茶したりゲームしたりと親睦を深めるメンバー。

ただ、どうやらそのほとんどが不登校であることが判明し、また同じ中学に通っていることが判明。

城と自分たちの秘密を探るこころ達、そしてある可能性をみいだす。

 

果たしてこころ達は城の鍵を探し出し秘密を解くことができるか?

 

導入はファンタジーですが、根本はいじめがテーマとなっている本作。

だからこそ同じくいじめを題材にした「カラフル」を映画化した原恵一監督に白羽の矢が当たったのかもしれませんが、やっぱりいじめそのものの解決は扱っていません。

もっとも解決しそうもないというべきか、さじを投げているというべきか。

 

見どころは後半、こころの友人との会話。

引きこもりになったこころの引っ掛かりであった友人の存在。

後半になって話す機会があるのですが・・色々達観しすぎてかっこいいです。

 

気になった点はヒントの隠し方が無理筋すぎること。

途中で鍵のヒントが城以外の場所にあるというのがわかるのですが、その場所というのが・・

こころ以外の人物で探し出せたか怪しいぞ。

 

そしてツッコミどころですが

(以下致命的なネタバレ、未視聴の人は注意)

 

 

流石に数日で関係性の秘密は分かるだろ。

流行やテレビやニュースの話題、その日の天気で気づくだろ。

 

 

伊達に本屋大賞を取っただけはあるので、落としどころは感動的なのですが、途中で秘密がわかってしまうのは残念。

また、気になった点にも関わりますが、もっと現実世界でも関係性を膨らませてほしかった所です。

いじめやDVが題材になっていることもあり、辛いシーンもありますが、それでも生きていくことの強さのがる作品だと思います。

 

なお、中の人(高山みなみさん)の関係でちょっとしたサプライズがあり、ニヤニヤできます。

 

 

 

原恵一監督の前作(のはず)。

脇役でクレヨンしんちゃんのしんのすけと父ちゃんの中の人がコンビになっていますが、二度と聞けないと思うとしんみりします。