誕生日プレゼントを受け取りに叔母の店にやってきたアカネ
ところが店に現れた男から世界を救ってほしいと頼まれる
半ば強引に異世界に連れてこられたアカネだったが?
鑑賞日 2019/4/27
映画館 セントラル
子どもの頃なら誰もがうれしい誕生日、貴重なケーキが食べられる日でもありますが、やはり誕生日プレゼントも楽しみにしたい所。
貰ってうれしいプレゼントといえばゲーム機?それとも宝飾品?または異世界?
なんだよ、異世界って?
ともあれ、誕生日プレゼントに異世界に連れていかれた女の子の話です。
監督は「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶオトナ帝国の逆襲」で一躍名を広めた原恵一監督。
「カラフル」以来久しぶりのアニメ映画(実写映画は撮っていましたが)となります。
本作のポイントは美しい異世界の旅。
友達間のいざこざに疲れ学校をズル休みしていたアカネは母親から翌日に控えた自身の誕生日プレゼントを取ってきてほしいと頼まれる。
違和感を感じながらも輸入雑貨店を営む叔母のチィのお店にやってきたアカネは手形に触れると、地下から錬金術師を名乗るヒポクラテスと弟子のピポが現れ自分たちの世界を救ってほしいと頼まれる。
突然の事に尻ごむアカネだったが「前のめりの首飾り」を付けさせられ半ば強引に向かう事に、また好奇心の強いチィも同行することとなる。
危機の原因である水の循環を回復させるべく王子を探すアカネたちの前に鉄を集めるザン・グとドロボが至る所で立ちふさがる事となる。
なれない旅に嫌気がさすアカネだったがチィと共に次第に世界の美しさを満喫していた。
果たしてアカネは美しい世界を救う事が出来るのか?
主人公のアカネは今時の小学生、そのため旅も嫌々なのですが、同行する叔母のチィは仕入れのため世界中を巡ってきた女性。
初めての異世界でも持ち前の好奇心からアカネをグイグイ引っ引っ張り大錬金術師のヒポクラテスとその弟子となるピポを顎で使うふてぶてしさ。
実のところ、後半まではアカネよりチィの方が目立っています。
また何かと他者に迷惑をかけるザン・グとドロボも色々事情があるキャラとなっています。
さらに言えば二人とも元クレしんコンビ(藤原啓治さんと矢島晶子さん)なのはいろんな意味で嬉しいポイントです。
見どころは後半、ザン・グとの対決。
ザン・グの苦悩を目の当たりにしたアカネ、そして彼女が出来ることをするけれど?
ザン・グの秘密が分かり物語が急展開する場面、ようやく?アカネが活躍する場面となっています。
気になった点は話の展開が強引かつ子供じみている事。
今までの原恵一監督の作品だとクセがある内面描写が特徴でしたが、本作はそこら辺は排除されており分かりやすい展開となっています。
ただ、その分色々強引かつ深みの無い展開となっています。
まあ、それよりなにより
ラ〇ュタっぽい
といわれるのが一番問題かと。
誰もが通るジ〇リっぽい作品です、ええ。
(ジ〇リで主人公が異世界に行くという話は「猫の恩返し」と「千と千尋の神隠し」だけなんですけどね)
良くも悪くも今までの原恵一監督の作品とは異なるアプローチの本作。
内容の薄さは気になりますが、その分色彩の美しさは中々のもの。
分かりやすい展開も間口が広くなったと思えば正解です。
感動作というのは少々盛っている感はありますけど、見終わった後の感触は悪くありません。
なお、本作にはちょっとした小ネタが盛り込まれており、それを探しながら見るのもオツなもの、特にアカネが手形を触るシーンは分かる人にはニヤニヤできます。
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原恵一監督の(アニメの)前作。
魂の存在となった主人公が少年の体に乗り移り復活のきっかけを探すというもの。
全然カラフルじゃないのはご愛敬。