良妻賢母を育てる花嫁学校の校長だったポーレット
しかし、学校を運営していた夫が急死で莫大な借金が判明
ポーレットは他の教師と共に運営に奔走するが?
鑑賞日 2021年7月22日
映画館 キネマ館
人間、生まれてきた性で差別するのはよろしくない事。
なのは、今では当然なのですが、今から50年ほど前では世界中で男性優位な社会構造となっていました。
男は外で働いて、女は家で家事に勤しむのが当たり前、まあ、日本では今でもその傾向が強いのですが、少子高齢が進む中ではそんなこと言ってられないはずなのですが・・
本作はそんな女性の社会進出を題材とした作品。
今から50年ほど前のフランスを舞台にしているのですが、当時は花嫁学校という代物があったようで。
確かに花嫁修業として料理やら裁縫を学ぶ人もいるようですが。
本作のポイントは自由への渇望。
由緒正しい花嫁学校のヴァン・デル・ベック家政学校の校長であるポーレット。
しかし、その年は入学者が少なく、また生徒たちも曲者が揃っていた。
そんな折、学校運営を行っていたポーレットの夫が急死、そして多額の借金をしていたため破産状態である事を知ってしまう。
学校再建のため銀行に赴いたところ、戦争で離れ離れになったアンドレと再会したポーレットは忘れかけてた恋に戸惑う事に。
一方、生徒たちにもこのまま言われるがまま結婚することに疑問を持ち出していた。
果たしてポーレットたちは時代を変える事が出来るか?
良妻賢母を育てる場だった家政学校、そのため勉強は料理や掃除、刺しゅう、テーブルマナーなど。
まさに家庭の仕事しかさせない内容なのですが、一つの不幸をきっかけに学校の命運ががらりと変わっていく展開となっていきます。
見どころは終盤、新妻の心得。
冒頭に妻の心得を教えるポーレット、しかし彼女自身大きく変わっていき、生徒たちにもそれを伝える事に。
力強いシーンなのですが、最後のポーレットの表情が印象に残ります。
気になった点は生徒達の存在がやや軽い事。
どうしても教師陣のインパクトが強いので生徒達の印象が弱くなっています。
問題は生徒達の方が深刻なのですが。
ポーレットを始め教師たちのコミカルさが非常に楽しい本作。
そして、女性の自由を勝ち取る闘いの話でもあります。
なお、終盤にピル(避妊薬)の仕様を願うシーンがあるのですが、海外では今は普通に薬局で買えるモノとなっています。
が、日本では今でも医師からの処方箋が必要という遅れっぷりに幻滅すること請け合いです。