デスマッチのレスラーとしてカリスマとなった葛西
しかし、肉体以上にデスマッチに向かう気力を失いかけていた
その気力を振り絞る舞台を用意されていたが?
鑑賞日 2021年7月25日
映画館 キネマ館
PG12対象
ゴア映像
※ドキュメンタリー映画なので本当のゴア映像
昭和の中期まで娯楽番組の頂点だったプロレス。
しかし、娯楽としてのプロレスが衰退するにつれ、より過激に方針転換し、流血当たり前の「デスマッチ」と呼ばれるジャンルが誕生。
90年代頃だと大仁田厚による電流デスマッチが話題になりましたが、それをさらに突き詰めた代物となっています。
本作はそんなデスマッチでカリスマと呼ばれたレスラー、葛西純選手を追ったドキュメンタリー映画。
しかし撮影の途中でコロナによる情勢の変化をもろに受けてしまったようで。
本作のポイントはデスマッチで生きる理由。
レスラーを志しながらも紆余曲折を経て大日本プロレスにてデスマッチのレスラーとして頭角を現した葛西選手。
その後、団体の移籍がありながらもデスマッチレスラーとして戦い続けカリスマとまで言われる様になっていた。
しかし、長年のダメージの蓄積に加え試合に挑む気力を失ってしまい暫く休養する事となる。
アメリカでの復帰戦を目標にトレーニングを続けモチベーションも上がり始めた矢先、コロナの影響によりアメリカでの復帰戦が中止となってしまう。
目標を失い、モチベーションが乗りきらない中、不本意な形で復帰戦と行う事になってしまう。
コロナ過で満足に試合が楽しめない状況、それでも葛西選手がデスマッチに挑む理由とは?
基本血が出てナンボのデスマッチ。
葛西選手がデスマッチの黎明期から活躍している事もあり、昔からどのような代物を使ってきたのかが垣間見えるのですが、今でも良く使われる蛍光灯を始め画鋲やホッチキスといった代物も。
誰もが使ったことがあるため痛さが伝わりやすかったかと。
なお、最近のトレンドはカミソリ、掴まれた手を離させるために使ったり、額を切り裂いたり凶器としては卑劣さを醸し出します。
カミソリをぎっしり引き詰めた板に叩きつけるとか・・・実は刃が出ているのは数ミリなので、そこまで切れない代物だったりします。
(まあ、それでも切れますが)
けど、それをより過激にした包丁を引き詰めた板はダメゼッタイ、謹慎やも無し。
見どころは中盤、ベストバウトの闘い。
毎年プロレスの名勝負をベストバウトとして表彰されているのですが、見世物間が強いデスマッチには縁のない代物。
しかし、葛西選手の試合がベストバウトを受ける事に!
まあ、場外で二階席からボディプレスという怪我待ったなしの技を繰り出した試合ですが、見ている方が怖くなります。
気になった点はここ数年の活躍が見えてこない事。
今までのデスマッチ歴は分かるのですが、そもそもデスマッチの歴史が薄く、2000年代からスタート。
そして、一世を風靡したのはスタート直後なので、以降十数年は余り映像が登場しません。
蛍光灯を使った派手な立ち回りは今日のデスマッチの基礎になっているようで。
ともあれ、身の毛もよだつ凄惨なリングの上で男たちが激しくぶち当たる!
・・なのですが、結構酷い事故も映されています、おお怖い。
ともあれ、プロレス好きならその試合内容と共に見ておkたい作品です。