友人たちとまばゆい青春を謳歌していた榊山
戦争の足音が近づくも彼らの気概は高くあり続けた
しかし、現実は榊山の想像を大きく超えてゆく
鑑賞日 2018/2/4
映画館 キネマ館
昨日8月15日は終戦記念日。
毎年第二次世界大戦および太平洋戦争を題材とした作品を紹介していたのですが。
あっさり、忘れていました。
まあ、一日遅れたけど、改めて紹介ということで。
さて、本作は檀一雄の純文学「花筐」を原題に大林宣彦監督が撮った作品。
製作中に大林監督が体調を崩したため、ひょっとしたら遺作になるんじゃ・・と言われていた作品でもあります。
なお、近年の大林監督は戦争を題材にした作品を手掛けており「この空の花~長岡花火物語」、「野のなななのか」に続く戦争三部作の位置づけのようです。
本作のポイントは崩れる青春。
桜が舞う春の日、学校に入学した榊山は颯爽と現れた鵜飼と愚直な姿勢を保つ吉良、そしてムードメーカーの阿蘇らと出会い眩しい青春を謳歌し始める。
一方、病気により家から中々出ることが出来ない美那との出会いと美那の友人たちと出会うことで友情と恋の日々を送っていた。
しかし、戦争の足音が近づくにつれ、彼らの友情と恋はドロドロとした様相を見せ始めてしまう。
楽しかった日々が壊れていく様に抗おうとする榊山、しかし崩れた日常は元には戻らなかった。
時代のうねりに飲み込まれた若者たちの結末とは?
さて、近年の大林監督の作品は情報量が膨大となっているのですが、本作もかなりセリフが多い作品となっています。
加えて演出もかなりぶっ飛んだモノが多く実に安っp・・青春が炸裂した描写となっています。
見どころは冒頭、鵜飼の登場。
とりわけ冒頭が青春が炸裂しているのですが、鵜飼の登場シーンがかなり個性的。
その姿は榊山でなくても惚れ惚れすること請け合いです。
気になった点は終盤はほぼダイジェストになってしまっている事。
クライマックスのシーンが終わってからは急激にトーンダウン。
まあ、青春が凄まじい勢いで燃え尽きてしまうので致し方ないかと。
青春が凄まじい勢いで爆発し、友情と恋に入り乱れて燃え尽きる様は中々痛快な本作。
勿論、戦争映画の側面もあるため、次第に重い展開になっていきます。
近年の大林監督の作品と比べると随分見やすい作品となっているので、青春映画と割り切って見るのも大いにアリです。
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