小学校の時、難聴を患う硝子をからかっていた将也
しかし、それが仇となり逆に回りから拒絶され、孤独になってしまう。
数年後、人生に諦めかけていた将也は硝子の姿を見つける。
http://koenokatachi-movie.com/
鑑賞日 H28.10.15
映画館 セントラル
数十年前から問題になっていながらいまだに解決できない学校のいじめ問題。
集団生活を行う人間にとって他者と違うものは排除しようとする傾向はありますが、昨今は多様性を認めようと呼びかけている最中。
排除するより受け入れたほうが発展するのは間違いないのですが・・
本作はそんないじめを題材とした作品。
さらにその根底は障碍もあるという設定だけみると非常に重いドロドロとした作品。
・・のはずなのですが、本作のアニメーションを製作しているのは「けいおん!」や「たまこラブストーリー」と同じ京都アニメーション。
もともと淡い作風を得意としているアニメスタジオであり、本作もそれに倣い映像は淡いシーンが多くなっています。
まあ、内容はやっぱり厳しいシーンが多いのですが。
なお、原作は週刊少年マガジンで連載されていた漫画。
暗い作品だったので見ていなかったのですが、評判になっていたようで。
となると、その内実写化される・・か?
本作のポイントは罪の意識。
小学生の頃、典型的なガキ大将だった将也は、耳に障碍を持つ硝子が転校してくると面白半分に彼女にちょっかいを出すことに。
周りもそれに釣られ硝子をいじめ出すものの、補聴器の損害が発端となりすべて将也のせいにされてしまう。
その後ほどなくして硝子は転校、するといじめのターゲットが将也に変わりクラス全員が彼を拒絶することに。
それから数年後、高校生となった将也は全てを清算して自殺を決意するも手話教室に通う硝子と再会。
彼女に謝るため手話を勉強していた将也は硝子の妹である結絃の妨害を受けつつも少しづつ硝子との交友を深めていく。
そして全てを拒絶していた将也にも少しづつ変化するものの、罪の意識から発生した心の壁は彼を苦しみ続けていた。
果たして将也は硝子への罪を乗り越えることができるのか?
いじめていたら逆にいじめられたという急転直下な展開が実に絶望的に映る本作。
そのため将也は家族以外の人物を拒絶しており、彼にとって生きにくい世界となっています。
そんな時に昔いじめていた硝子との再会は一見すると彼に乗って”とどめ”なのですが、逆に罪を解消するきっかけにしようとします。
まあ、ちゃんと謝りませんとね。
見どころは後半、病院での会話。
非常にショッキングな出来事が起きた直後なのですが、将也と硝子の立場が完全に逆転するシーンとなっています。
痛々しいく苦しいシーンでもありますが将也の母親が実にできた人と改めて感じる場面です。
けど、一人部外者がいなくないか?
気になった点は将也の旧友に対するアプローチが弱いこと。
将也をいじめた張本人なのですが、中盤にちらっと登場するけどもう少し出番があってもよかったのかも。
いや、本当は出番があったようですが・・面倒くさいなぁ。
将也と硝子以外にも登場人物の話は重いものがあり、個人的には結絃のエピソードは彼女自身の悩みを反映しており印象に残ります。
周りを拒絶してきた少年が少しづつ受け入れ始める姿は応援したくなること必至。
だからこそラストシーンは本気で泣かせに来ていますので、涙腺が弱い人はハンカチ持参でどうぞ。
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タイトル通りラブストーリーなのですが実に初々しい内容となっています。
そんじょそこらの恋愛映画は不謹慎極まり無いだけに、彼らのすなおな恋模様は新鮮です。