新しき家族を救うため ディーパンの闘い | Mの国より愛を込めて

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闘い疲れ果てた男は家族を装いフランスへ脱出
しかし難民ゆえ治安が悪い所での生活を余儀なくされる
真面目に働く男だったが、治安は悪化の一途を辿っていた








公式サイト

観賞日 H28.4.17
映画館 キネマ館


今での世界のどこかで起こっている内乱。
取り分け最近はシリア情勢は悪化の一途を辿っており、ソコで発生した難民が世界で大きな問題を投げかけています。
本作はそんな内乱の国から移住した人々の話。
なお、本作は昨年のカンヌ国際映画祭にて最優秀賞となるパルムドールを受賞した作品でもあります。
内乱で疲れ果てた男が安らぎを求めたどり着いた場所。
しかし、ソコは安住の地ではなかった。

本作のポイントは移住の地。
スリランカで反政府軍の兵士として闘ってきた男。
しかし、闘いの日々に疲れ果て、難民として国外に出ることを決意。
ところが国外に出るためには家族であることが条件であったため、見ず知らずの女と娘で偽装の家族を演じ、名前も戦火で死亡した男ディーパンを装うことになる。
そしてフランスに移り住み、伝手を頼りに建築途中で蜂起された団地の住み込み管理人となるが、団地ではチンピラが幅を利かせていた。
何とか衝突しないよう、直向に働くディーパン、一方妻役のヤリニは麻薬の売人の家政婦として働くが悪化していく治安に脅えていた。
そんなある日、団地内で銃撃戦が発生しヤリニと娘役のイラヤルが巻き込まれてしまう。
一方ディーパンも反政府軍の上官からの命令に苦悩し、人間性を失っていく。

果たして偽りの家族は安住の地を見つけることが出来るのか?

内戦によりゴタゴタになっている国から脱出したものの、その地でも問題に巻き込まれてしまうちょっと可哀想な偽物の家族。
折角腰を落ち着けた場所が血で血を洗う情け無用の無法地帯。
元兵士であるディーパンはまだしも、内戦から逃げてきたヤリニとイラヤルに取っては危険な場所となっています。
脅える彼女たちにディーパンが出来ることとは?

見所は後半、いざこざに巻き込まれた一家。
チンピラの抗争に巻き込まれたヤリニ、そんな彼女の助けを聞いたディーパンが取った行動とは・・
クライマックスだけに、たまりに溜まった鬱憤が一斉に開放されるシーン。
伝説の兵士の力が垣間見える場面となっています。

気になった点はディーパンの心変わりが急変過ぎること。
それまでチンピラにデカイ顔をされても耐えてきたディーパンですが、上官と会ったシーン以降急に暴力的になってしまいますが、もう少し助走があっても良かったのかも。

内戦で苦しみ、新天地でも苦しみ続けただけに、終盤にそれらが一気に開放されスカッとする内容となっています。
また、お約束ですが偽りの家族が何時しか本物の家族のような絆となるのも見逃せないかと。
世界情勢が重くのしかかる作品となりますが、それでも生き延びるのを諦めない強さを感じます。



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偽りの家族ということでチョイス。
北朝鮮の工作員が家族を演じて諜報活動を行うというもの。
途中までは愉快なコメディですが、終盤は非常に悲しい展開に。
最後の芝居は本当に泣けます。