子がすがるもの 最愛の子 | Mの国より愛を込めて

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少し目を離した間に息子がが行方不明となったティエン
ティエンは懸命に探すものの見つからず次第に憔悴していく
そして3年後、奇跡的に発見された息子は別人になっていた








公式サイト


観賞日 H28.4.17
映画館 キネマ館


日々様々な犯罪が起こっていますが、何より子供が巻き込まれる事件は非常にやるせないものです。
子供に非がある事はまずありえませんので、それだけに大人の理不尽さに誰もが心を痛めます。
本作はそんな子供が巻き込まれた事件を題材とした作品。
一応実話を題材にした作品ですが、行方不明となった子供が見つかったぐらいしか共通点が無いかと。

本作のポイントは子供の行方。
妻と別れシングルファーザーとなったティエンはネットカフェを経営しながら息子のポンポンを育てていた。
そんなある日、友達と遊びに出かけたポンポンは母親のジュアンの車を見つけ、追いかけるものの直後行方をくらませてしまう。
息子が帰ってこないことに気付いたティエンは捜索を行うものの、ポンポンが謎の男と共に列車に乗ったというところで情報が途切れてしまう。
その後も懸命に探すティエンとジュアンだったが情報は無く、行方不明児の親の会に参加するものの、空しさが募るばかり。
それから3年後、諦めかけたティエンの元に遠く離れた農村で息子を見かけたという情報が舞い込む。
息子と再会したティエン、しかし息子は両親のことをすっかり忘れており、逆に泣け叫ぶ始末。
一方亡き夫の連れ子として二人の子供を育ててきたホンチンは状況が飲み込めず混乱してしまい・・

果たして二つの親と二人の子供の結末は?

本作は、行方不明となったポンポンを探すティエンとジュアンの受難となる前半と、子供と引き離されたホンチンが娘だけでも一緒に暮らせるよう弁護士のカオと共に裁判を起こす後半に分かれています。
そして両者とも共通しているのが子を失った悲しみ。
その姿には心揺さぶられるものがあるかと。

ちなみに、ホンチン役の人は少林寺サッカーのヒロインの人だそうで。
日本でも大ヒットした作品からはや10数年、見た目普通のオバチャンとなっているので結構ショックかも。

見所はポンポン救出作戦。
田舎の農村でポンポンを見つけたティエンとジュアン、静止を聞かずに息子に駆け寄り抱きかかえて連れ去ってしまう。
当然育ての親であるホンチンは息子が誘拐されたと思い、村中から人々が駆けつける!
まさに誘拐された側が誘拐する側となるシーンです。

もう一つはラストシーン。
詳しくは書きませんが本来は喜ばしいはずなのに複雑な状況となっています。

気になった点はポンポンを連れ去ったホンチンの夫の行動に説明が無いこと。
そもそもの元凶なのですが、なぜ二人の子供を連れてきたのかが最後までハッキリしません。
このあたりは中国の農村による部分なのですが、流石に政治批判につながりかねなかった?
死人に鞭で叩いても空しいだけですが、もうちょっとハッキリさせても良かったのかと。
そしてもう一つ、おそらく彼自身も知らなかった事実があるのですが・・きついなぁ

前半と後半で主点が変わってしまう作品とはいえ、どちらの視点も子を奪われた親の苦悩という点で良く出来た作品。
非常にうやむやが残ってしまう作品ですが、それを差し引いても見るべき点は多いです。
過度の中国に対する嫌悪感が無ければオススメです。




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子供の行方不明が題材ということでチョイス。
元孤児院に住みだした一家の子供が行方不明になり、探すうちに孤児院の秘密が判明していくというサスペンスもの。
非常にやるせない終わり方なのですが、ラストシーンは非常に印象に残っています。