天気も良かった2015/01/10に、母親と一緒に日本橋まで出かけてきました。前にも書いた通り、お目当ては日本橋高島屋で開催されている「川瀬巴水」展でした。
川瀬巴水は、大正/昭和期に当時衰退していた浮世絵版画を復興すべく活動した版画家です。卓越した技術で、旅先で出会った日本の美しい風景を叙情的に表現。新版画というジャンルを確立した第一人者です。
と、偉そうに語っていますが、私が巴水を知ったのは1月6日のTV東京系の人気番組、「なんでも鑑定団」でです。放送を見てあまりの叙情性の豊かさ/絵の緻密さに衝撃を受けて、絶対に実物を見に行こうと思いました。
↓の左側は巴水の代表作の一つ、「芝増上寺」です。
これ(↑)版画ですよ。信じられますか?私・かつぼうさんは実物を見るまで100%信じられませんでしたよ。それもその筈、葛飾北斎や安藤広重らの作品が7回ほど色を摺ったのに対して、巴水の作品は30回~40回は色を摺っています。塗り込まれている色の数が、そのまま表現の違いになっていますね。
↑の右側は、やはり巴水の代表作の一つ「馬込の月」。雪景色や月が出ている夜景
が得意だったそうです。素晴らしい作品
です。
もちろん、浮世絵画家でもある巴水は、風景画も得意。↓の富士山を見て下さい。
これ(↑)も版画です。ちょっと信じられませんよね。
かつぼうさんが見に行った当日は土曜日という事で、朝から凄い人出でした。いつもは混んでいると適当に流してしまうのですが、今回はちゃんと列に並んで最初から最後までじ~っくりと鑑賞しました。そんなかつぼうさんに、まさかのご褒美
がありました。
↑は 「 越ヶ谷の雪 」 という画題の作品です。まさか、かつぼうさんの住んでいる街が画題の作品があったなんて!益々巴水のファンになってしまいました(単純)。
ちなみに、「越ヶ谷の雪」は2連作です。↓ですが、同じ木版を使っているのでは?と推察されます。
色を使い分ける事で、昼間と夜を表現できてしまう。巴水の木版もさる事ながら、摺り師の職人さんも良い仕事をしていますね。
こう見えても大学の頃から美術展には結構足を運んでいるかつぼうさんですが、今回の川瀬巴水の作品には国立西洋美術館でモネやルノワールの作品を初めて見た時並みの衝撃がありました。
本当に鑑賞に行って良かったなと思えた展示会でした。ちなみに展示会は明日(12日)までです。