今回紹介すアルバムは、スウェーデンのバンド/TREATの名作『 ORGANIZED CRIME 』です。
スウェーデンのHR/HMバンドというと、まぁアルバム「 THE FINAL COUNTDOWN 」でおなじみの「EUROPE(ヨーロッパ)」が筆頭でしょう。 あちらさんも良いですが (何故か上から目線) 、個人的にはTREATが北欧メタルの中では一番好きなバンドです。
TREATは、80年代中盤に「ボンジョヴィ・シンドローム」とでも言うべき流れの中で台頭してきたバンドです。え?「ボンジョヴィ・シンドロームって何」? うむ、良い質問ですね(池上アナ風)。80年代中盤にボンジョヴィが大ブレイクすると、大手から中小すべてのレコード会社はボンジョヴィっぽい音を出すバンド(要は売れそうなバンドって事ですよ)を探しました。言うなれば、「ボンジョヴィの二匹目のドジョウ」をよってたかって皆で探そう!って流れ(笑)です。
ただ、そんな流れから出てきたバンドの中で、TREATのクオリティはピカ一でした。何でも既に、「スウェーデンのボンジョヴィ」と言われていたのだとか?
1987年にリリースされたアルバム、「DREAMHUNTER」も良かったですが、やはり最高傑作は1989年にリリースされた「ORGANIZED CRIME」です。
同意する人は少ないでしょうが、個人的に本作を「北欧メタル最高傑作の一つ」と認識しています。上の添付画像は、本アルバムのジャケットです。とってもセンスが良いジャケットです。
以下、(ほぼ)全曲解説です。
① READY FOR THE TAKING ・・・ 名作のオープニングを飾るのは、北欧らしからぬ力強いロックナンバー。アメリカンロックを意識しつつも、どうしても所々に北欧らしさが覗く。
② PARTY ALL OVER ・・・ ノーコメント
③ KEEP YOUR HANDS TO YOUR SELF ・・・ ノーコメント
④ STAY AWAY ・・・ あまり良いバラードとは言えませんが、ここからアルバムの雰囲気が一気に北欧らしいメロディアスに変わります。
⑤ CONSPIRACY ・・・ 来日公演でも一曲目だった、ロックナンバー。メロディアスで疾走しているという意味では、前作「DREAMHUNTER」の名曲「OUTLAW」のヴァージョンアップ版と言えるでしょう。
⑥ MR.HEARTACHE ・・・ シャッフルのリズムに乗った、軽快なロックナンバー。前作の名曲「DANCING ON THE EDGE」に似ている。
⑦ GIMME ONE MORE NIGHT ・・・ これもアメリカンロックっぽいナンバーですが、②や③よりはずっと良いです。
⑧ GET YOU ON THE RUN ・・・ この曲から最後の12曲目までが、メロディアスナンバーのオンパレードです。この曲は、1stアルバムのセフルカバー曲。アレンジと、ロバートの英語が上手くなっています。TREATファンの多くが、同バンドのベストナンバーとして選ぶであろう曲でしょう。
⑨ HOME IS WHERE YOUR HEART IS ・・・ 「心がある場所こそが故郷」。歌詞が良いです。郷愁感をさそうメロディアスな曲で、私・かつぼうが本アルバムで一番好きな曲でもあります。
⑩ FETAL SMILE ・・・ アンダースのテクニックが、如何なく発揮されている曲。ボトルネック奏法が凄まじい。ギターソロだけだったら、マイケル・シェンカーの名曲に対抗できる程に凄い。
⑪ HUNGER ・・・ 名作のエンディングはドラマチックな展開とアンダースのギターソロが聴き所の、スローテンポですがヘヴィーな曲。
このバンドは本作のツアーで初来日を果たし、私もライブにも行きました。新宿の厚生年金会館でした。本当に盛り上がった良いライブでした
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