今日のスケッチ。
フランス、バスノルマンデー地域のバルフルールの港。
勝又進の漫画、題名は「木の葉経」。
お寺の修行僧良全が、上人のおかみさん通じたのを苦にして、ある夜、こっそりお寺を逃げ出す。
お寺に住み着いていたタヌキが、良全が逃げ出すのを見て、良全になりすます。
おとなしかった良全が、チョロチョロ動き回ったりゲラゲラ大声で笑ったりするようになった。
奇行の多くなったのを見て、まわりの修行僧仲間は、良全は気がふれたと噂する。
良全は夜遅くまで写経をし、そのあとお経をあげている。
ただ、経本を見ているが、ポーズだけらしく、となえているお経はでたらめである。
それから一年、相撲大会の相撲で疲れた良全は、タヌキ姿のまま寝てしまい、正体がばれる。
なぶり殺しにしろと、大勢の修行僧に追われ、屋根のうえまで追いつめられる。
黙れ!黙れ!タヌキだとて甘くみるなよ。タヌキには神通力があるのだ。
その気になれば御三尊様だって、この神通力でお招きすることができる。
おまえらの法力が通じるのは石の地蔵さんか檀家の後家さんぐらい。“
最期になにかひどく罵倒したらしかったが、狸語だったので誰にもわからなかった。
そして、大きな葉っぱでお面をつくり、う~と意味のない語を発する。
このラストが、タヌキの哀しい心を現して印象に残ったと、以前書いた。
ところが、読み直したら、これがラストではなく、続きがあった。
これは記憶に残っていなかった。
タヌキが逃げた後、寺はタヌキの噂でもちきりだった。
良全はタヌキに食い殺されたのだろうということになった。
数か月後、本堂で大きな音がした。
みんなが駆けつけると阿弥陀三尊様が姿を現している。
また、大きな音がして御三尊様が消え、跡にはタヌキが死んでいた。
後日、良全の荷物を整理したら、タヌキの書いた経本が出てきた。
上人が読んでみたが、筆跡が定まらず、狸文字がまじっているらしく読めるようなしろものではなかった。
その経本は木の葉経と名付けられ、弘教寺代々の住職以外は見ることを禁じられている。
タヌキながらも仏門を志した健気な心をたたえ、を弘教寺の庭の片隅には彼を祀った良全堂が残っている。
このお寺といのが、
茨城県常総の北西部の豊岡町にある弘教(ぐきやう)寺だという。
最近、家の近くでタヌキを見た。
どこからやってきたのだろう。
私の近所には、バンビちゃんの家のような豪邸がいくつもある。
その広い庭に住み着いているのだろう。
皇居にもタヌキが生息しているという。
野犬もいないし、雑食だから、街中の方が住みやすいだろう。