今日のスケッチ。
妙高山。

今日のハガキ絵、雨飾山。

十年前、妙高山に登った。
この時は、妙高山か雨飾山のどちらにするか迷ったが、結局妙高山に決めた。
どちらも登山口までの交通の便は悪かったが、妙高山の場合は、燕温泉に前泊できるのが決め手になった。
大正時代の山の紀行文、石川欣一「可愛い山」私の中では、鋭い山、怖い山というのはあるが、可愛いと思った山はない。
強いてあげれば、山頂が丸っこい飯盛山だろうか。
石川さんは可愛い山として「雨飾山」を挙げている。
本文を読むと、一目惚れした山ということらしい。
石川さんは宿で知り合った4人で、案内を雇って白馬に登った。
アルプスの登山路が整備されていない大正以前は、猟師、イワナ釣り、木こりなどを雇って案内人にしていた。
下山の途中で、北の方を眺めたら、桔梗色に澄んだ空に、ポッカリ浮かんだ優しい山に心を引かれた。
その時に石川さんはなんと可愛い山だろうと思い、それが雨飾山だと教わった。
しかし、白馬を最後として、石川さんは長いこと山に登らなかった。
白馬に登った翌年、新聞記者だった石川さんは外国に派遣された影響もある。
しかし、数年後に帰国しても、山に登ることはなかった。
しかし、新聞社の都合で、北アルプスの登山口の新しい設備について書く用事があった。
そして、またまた雨飾山を眺められて、やはり可愛い山だと思った。
「再び言う。雨飾山は可愛い山である。実際登ったら、あるいは藪がひどいか、水がないかして、仕方のない山かも知れぬ。
だが私は、一度登ってみたいと思っている。」
その後、石川欣一さんが、雨飾山に登ったかどうかは知らない。
なんとなく、登らなかったのではないかと思う。
恋というのはたいてい、一目惚れから始まる。そして実際つきあって、ガックリくるか、それとももっと可愛く思えるか、それはわからない。
山に対する印象は人によりさまざまだ。
作家の宇野浩二は、甲斐駒を中央線の車窓から見て、山の団十郎だという感想を持った。
いっしょに並ぶ南アルプスの山々とは、別格だと思ったのだろう。

