昨日の絵を描き直した。
昨日のは、ビルの背丈が低くなってしまった。これでは座ったビルである。
たぶん無理して紙の大きさに収まるように描いてしまった。
これでは手直しは無理なので描き直しである。
自分で描いた風景画を見直して、不自然に感じるときがある。
そういう場合はたいてい、木の並び、枝の伸びている方向などが、ワンパターンで規則的になっている。
山や川など、自然を見ていると規則的なものはない。
全てゆらいでいる。
絵を描く時、不規則に描くのは努力がいる。
屋根の瓦など、びっしりあるのを描くのは面倒だから、たいていは省略する。
横線または縦線を二本線で引いておけば、瓦屋根らしく見える。
しかし、城の石垣などは一個一個石を描き込まないと石垣らしく見えない。
瓦は規則的に並んでいるので、二本線だけでいいが、石垣は不規則だから、二本線では見てる方は石垣だと思ってくれない。
石の大きさや形はまちまちだが、油断していると同じ大きさ、形の石ばかりを描いてしまう。
時には、大きい石の隣に小さな石、その隣には大きな石、隣は小さな石、そういう規則的パターンをくり返していることに気づくこともある。
石を何百個も描く時は、つい規則的描き方をしてしまう。
人工物は規則性がある方が作りやすいし、見た目も美しく感じる。
建物を描く時は、定規をあてたような真っ直ぐな線でいいのだが、線が震えたり少し傾いていたり、角が丸みを帯びていたりすると、それはそれで暖かみがある。
わちさんぺいという漫画家、お笑い漫画を描いていたが、絵がそれほどうまい人ではない。
しかし飛行機だけは上手いと思っていた。
大人になって、わちさんの経歴を知った。
わちさんは、子供の時から飛行機が好きで、航空学校を卒業して、16歳で陸軍航空審査部で軍属として入り、終戦銭まで整備審査に従事していた。
なるほど飛行機の絵がうまいはずだ。
辻なおきのような写実的飛行機は、それはそれでいい。
わちさんの描く飛行機はお笑い漫画に合うようにまるっこい形だが、人間味?のある飛行機なのだ。
今日の絵ハガキ。