今日の絵手紙、
ガン。
海から飛び立つところ。
月の夜、雁は木の枝を口に咥えて北国から渡ってきて、飛び疲れると波間に枝を浮かべ、その上に停まって羽根を休める。
そうやって津軽の浜までたどり着くと、要らなくなった枝を浜辺に落とす。
日本で冬を過ごした雁は早春の頃、浜の枝を拾って北国に戻って行く。
雁が去ったあとの浜辺には、生きて帰れなかった雁の数だけ枝が残っている。浜の人たちは、その枝を集めて風呂を焚き、不運な雁たちの供養をしたという。
落語に雁風呂という演目がある。
丸山健二の「雁風呂」という短編小説もあるが、私はこの作品より滝田ゆうが独特の「漫画作法」でこの短編をアレンジした漫画が印象に残る。
小説を漫画化すると、たいてい失敗作になる。
手塚治虫も水木しげるもそうだ。
しかし滝田ゆうだけは例外。
滝田ゆうは、子供の時から貸本漫画で馴染みがある。