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前話







『いとー!

もう志望校決まったー?』



いと『西高しか無理でしょ!』



『だよねぇー。

バスケの推薦は?』



いと『髪の毛切りたくないからヤダよー』



『だよねぇー!』



いと『もしかして、杏推薦で行くの?』



『親は行けっていうから悩んでる。

行くならもう返事しないといけないし。』



実は杏といとは同じ高校から

スポーツ推薦の声がかかっていた。


でもいとはその高校へ行く気はなくて

地元の公立高校を受験するつもりでいた。



いと『古屋はどこ受けるの?』



『西高だって!

涼太はー?』



いと『前は西高って言ってたけどー…

よく分からない。

なんか涼太進路の話避けるんだよねぇ。』



『まじかぁー!

みんな西高かぁー!!

私も西高にしようかなぁー。

悩む〜。』



机にだらんと腕を伸ばした杏が

志望校の記入用紙を見つめながら話す。