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前話













涼太は思い出していた…



アバズレしかとと書かれた紙が

回ってきたあの日…



保健室で泣くいとを見つけて

喉まで出かかった。

大丈夫?の言葉を飲み込んだ

勇気の出なかったあの日…




保健室の先生が言った。

本当は弱いのかもしれないね。

と言う言葉…




1人ぼっちのいとを見て…


これ以上いとが1人で苦しまないように…

これ以上いとに悲しいことがないように…

これ以上いとが無理して笑わないように…



守りたいと思ったのに

なにも出来なかった情けない自分…




あの暑い夏の日…

告白してくれた

いとに素直になれなかったこと。




夏休み明けに

痩せ細ったいとをみて

想いばかり空回りして

言い訳ばかりして逃げていた自分…




体育祭でいとが泣いたこと…

古屋に言われ

知っていたのに何もしなかった。




俺が苦しませた?

俺が悲しませた?



考えない様に

どうにか自分をごまかそうとしても

ごまかしきれなかった。


朔がいとを好き?



そんなものくそくらえ。



もう、苦しませない。

もう、悲しませない。

無理して笑ういとを



俺が…


守る。


今度こそ。









涼太『いとー…好きだよ。

1年の頃からずっと…。』