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前話







落ち着いたいとは涼太へお礼を言って

涼太の胸から離れた。




涼太は服の袖でいとの涙を拭いた。




いと『涼太ありがとう。

ちょっと親とケンカしちゃって!

ただ…それだけ。』



涼太『そうか。

俺も親とケンカすることあるよ!

時々うるないよなぁー。親って!』



いと『だよね。

ムカつきすぎて飛び出てきた!笑』



いとの家庭の事情を詳しくは知らないが…

父親がいないと聞いたことがあった。



でも、触れてはいけいないことだと

思って会話を変えた。




涼太『あぁー。

いとの涙で服びしょびしょー笑』



いと『ごめん!ジュース奢るから許して!』



そして2人は

またホットゆず茶買ってベンチに戻った。



涼太『雪、積もったね』



いと『あのかまくらと雪だるま作った!』



涼太『えぇ?いとひとりで?笑』



いと『なわけないじゃん!笑

夕方、バスケ部で作った!』




すこし間合いがあいた。




涼太『いとさぁー

最近俺のこと避けてたよね?』



いと『・・・。

だってー涼太モテるからさぁ、

諦めないとって思って…』



涼太『なにそれ!

それはいとも一緒じゃん。

サッカー部でもいとの話出てくるよ…

朔のこともあるし。』



いと『うん…。でもー…

私、見たよ。

あの時、涼太ハチマキ交換してた。』



涼太『えぇ?してないよ!』



いと『えぇー!でも見えたよ!

女子にハチマキ渡してた!』



涼太『あぁー?あの時…?

ハチマキくれ!って言われたから渡したけど…

俺もらってないよ!


キモくない?

知らない女ハチマキなんていらねーし!


そもそもハチマキ交換なんて

全く興味なくて

知らなかったぐらいだし!』




いと『えぇ?そうなの??!

私、ついてっきり好きな人と

交換したのかと思ってた。


なんだ…違ったんだ!』



涼太『違う。違う。』





いと『涼太…

夏・・・

祭りの日迷惑かけてごめんね。


サッカー部みんないるとこで声かけちゃって。』




涼太『いやっ!あれはー…

こっちがごめん。

みんなうるさかったよなぁ。


サッカー部アホばっかだからさぁー。』








そして2人は

またしばらく今までの時間を埋める様に…

あの夏祭り前日の電話の時の様に…

たくさんの話をした。




いと『涼太、そろそろ時間ヤバいよね?

帰ろかっ!』



涼太『本当や!帰ろう!

いと元気になってよかった。

送ってく!

ってか引っ越したんよね?



いと『そうそう!

近くなんだけどね!

涼太ありがとうね!

今日、涼太と話せてよかった』



そして2人は立ち上がり歩き始めた。