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涼太『いと?』




そこには何故かいとが座っていた。




いと『もーーーう。ビックリしたー。

不審者かと思ったじゃん!』



涼太『こっちのセリフ!なにしてんの?』



いと『んんー。ちょっとね!休憩してた。』



暗くて見えなかったが…

目が慣れてよく見ると…



いとの目は涙ぐんでいて

今にもなにかに押しつぶされそうな

すごく切ない顔をしている様な気がした。



いと『よし!じゃ、私帰るね!』



ニコッと笑ったいとは立ち上がった。



涼太は思い出した。

前にもあった。

夏休み明けに

痩せ細って辛そうないとを思い出した。



立ち去ろうとするいとの腕を

涼太は掴んだ。






もう、繰り返さない。











涼太『いと?大丈夫…?』










しばらくの沈黙のあと…

下を向いたままのいとが

『大丈夫だよ。』と言った。



でも、その大丈夫の声が震えていた。



涼太『大丈夫じゃないやろ?

大丈夫なら俺の顔みて言って。』



下を向き続けるいと…



涼太はそのままいとを抱きしめた。

初めて触れるいとの身体はすごく細くて

折れてしまうんじゃないかと思った。



それでも涼太はいとのことを…

強く、強く抱きしめた。




いとは何も言わずに、

涼太の胸の中で泣き続けた。