バブソンMBAのベンチャー日記 -61ページ目

しがらみの中で崩壊する新聞社のビジネスモデル

日経新聞が2010年春を目処に、電子(WEB)版のサービスを開始するとのことで、正式なプレスリリースはまだみたいだが、ブログベースで概要が垣間見えてきた。


・電子版は月額4,000円。(紙媒体は4,300円)
・紙とセットで5,300円。(+1,000で電子版購読が可能)


という内容らしい。


正直、開いた口が塞がらない。ほぼあらゆる情報はググれば手に入るネットの世界において、月額4,000円の新聞情報などありえない。総購読者数が減少していく日本において、電子版の新規加入などは皆無だろうから、日経の狙いとしては、+1,000円での併用者の拡大を期待しているわけだが、果たしてそこまでの価値があるかどうか。(ホリエモンの有料メルマガが840円であることを考えると、悪くないようにも思えるが、それは置いておこう)


そもそも日経新聞(紙媒体)は、朝起きてご飯をたべながら、もしくは、通勤時間の間に、ざざざぁっと目を通して、世の中何が起きているかを浅く広くインプットするために使われている。特定の情報を得ることを目的として読まれているわけでなく、自分の頭の中の情報マップを最新に保っておくことが目的なのだ。その意味で、紙であることの重要性は高く、スキャンしやすいし、ロード時間もなく、折れるし、斜め読みも可能だ。


一方で、電子版となると、同じ目的では使えない。紙媒体で得られる情報を同じように、PCを通して電子版で行えば、少なくても2,3倍は時間がかかるだろう。忙しいサラリーマンにとっては致命的。ということは、電子版は、”別の目的”で利用できる、+αのベネフィット(価値)がなければ、なりたたない。日経としては、データ・ベースとしての利便性と充実度を訴求点としたいようだが、特殊な職業(リサーチャーや、アナリスト、コンサルタント)でないかぎり、パーソナライズしたデータベース日経は不要だろう。ビジネスユースでは、当然利用価値はあるのだが、1社もしくは1部署が電子版を購読契約し、社内で共有されて終了だろう。


そもそも、電子版のエントリー価格が4,000円なのは、紙媒体とのカニバリ(共食い)を防ぎたいがために他ならない。紙媒体の購読者数を維持することが絶対条件となっているのは、日経が販売店に依存しているビジネスモデルとなっており、販売店の収益を犠牲にするなどもってのほかだし、社内でも本流が紙なので、逆らうことが出来ない。


日本経済新聞社は、昨中間期において、連結財務諸表作成後、初の営業赤字を計上。新商品の開発や、需要の創造ではなく、仕組みで稼ぐ新聞社にとっての営業赤字は、ビジネスモデルが崩壊しているに等しい。


こういう状況を打破するためにも、例えば、
・毎日5記事読むことが出来て、月500円。毎日10記事で月1,000円というような記事課金モデル。
・特定の企業、業界、領域に関する情報がRSSで配信され、配信料により課金されるテーマ指定課金モデル。
・全て無料だけど、WEB版にアップされるのは紙媒体の一日後にして、広告収入で稼ぐ。
など、ネットの特性を活かした、新たなビジネスモデルを考え出せなかったものだろうか。頭固すぎです、日経新聞社。。。


※参考
日経電子版の創刊に見る"販売店"という呪縛
日経新聞電子版は月4000円で3月創刊か
月4000円のデジタル新聞

日本における英語教育について

昨年の9月から、約2年間の米国留学を始めているわけだが、英語圏で長期にわたり生活するするのは初めての経験である。(正確には物心がつく前に、親に連れられ、米国に滞在していたが覚えていない。あとは高校生の時に、シアトルに1ヶ月ホームステイしていたくらいである)


なので、私はいわゆる帰国子女ではなく、ごくごく標準的な日本の英語教育を受けてきた人間であると考えている。英語はもちろん、中学一年生から習い始め、週に3~4コマ(1コマ50分)を6年続け、他の受験生と同じように、大学入試には英語があった。ここまでが義務教育だが、1日2時間(予習復習含め)、週5日、一年40週(長期休暇除く)、6年で計算すると、トータル2,400時間費やしたことになる。私の場合、大学生になってから、英語の授業を意図的に選択したこともあり、他の学生よりは勉強時間は多かっただろう。そして、社会人になってからは、英会話に定期的に通っていたこともあり、TOEICの点数は日本人平均からするとかなり高い部類に入ると思う。


そんな私が、アメリカにきてからしみじみと痛感していることがある。それは、日本における英語教育がどれほど費用対効果が低く、”英語を使う”という点で役に立たないものであったかということである。


バブソン大学では、私を含め同級生に日本人は4人いるのだが、正直皆(帰国子女でもないので)英語には苦戦している。日本においては、”英語できるね”って思われている人たちは、グローバルでみるとその英語力の低さははっきりしている。国・地域別にみると、南米出身者は日常的に北米のカルチャー(TV、音楽、他)が入ってくることもあり、英語は非常に流暢だ。ヨーロッパ圏出身者は、人により差は出るが、マルチリンガルなバックグラウンドで育っていることもあるし、母国語の文法も近いこともあり、英語を話すのにそこまで不自由しない。インド人は英語は準公用語なので、訛りはあるがぺらぺらだ。アジア圏だと、母国語と英語の体系は違うので、皆一様に苦労する。日本人は、他のアジア人と比べてそんなに大きな差はないのだが、アグレッシブさにやや欠ける分、プレゼンスとしては低くなりがちだろう。


日本国内での英語教育に依存してきた日本人の英語がどれくらいのレベルかというと、(勿論個人差があるのは前提として)大体こんな感じかと思う。
ヒアリング:教授の話す英語はほぼ理解できるが、アメリカ人同士の日常会話は理解できない(ことが多い)。
スピーキング:自分の言いたいことは発言・主張できるが、議論・説得・交渉のレベルになるとかなり厳しい。
リーディング;たまに辞書を引く程度で、MBAの教科書・ケースには対応できる。
ライティング:冠詞・語彙・表現の幅広さなどで苦労するが、なんとかなる。
なので、問題なのは、ヒアリングとスピーキング。要は生きたコミュニケーションの部分である。


では、なぜ私が日本における英語教育が役に立っていないと考えているかの理由についてだが、大きくは3つあると思う。

1)生きた(リアルな)英語を教えていない。
文科省の指導要領の弊害なのだろうが、”文法的に正しく、厳かで、丁寧な英語”を英語と定義しているらしく、アメリカで実際に話されている英語と、日本で教わる英語には、結構な乖離がある。(※但し、日本で教わる英語が間違っているわけではない。) アメリカ人は、日常的にスラング(俗語)を多用するし、スラングとまでいかなくても、使用頻度の高い口語表現(および慣用句)へのフォローが弱い。なので、結果としてアメリカ人同士の日常会話となると、何を言っているかほとんどわからないということになる。。。


2)インタラクティブ(双方向)=コミュニケーションとして捉えていない。
日本の英語教育は、文法から入る。なので、文法力はそこらのメキシコ人とかよりも日本人の方が強かったりするが、コミュニケーションするための道具として訓練させないので、スピーキング(リスニングも)がとにかく弱い。私の中学、高校の授業では、教科書を読ませるだけであって、英会話なんかはほとんど存在しなかった。そんな状況では、ツールとしての英語力は高まるはずもない。。。


3)ネイティブ・チェックの機会が少なすぎる。
1)はコンテンツ。2)はアプローチについてだが、最後に教える側(人)の問題。英語を話せる人が教えない限り、教わるほうも当然話せるようにはならない。その意味においては、日本人教師が多すぎ、ネイティブ教師が少なすぎる。そのため、発音や少々間違った表現を使っていても、改善・修正されず、レベルが高まっていかない。文科省は日本語教師が持つべきのTOEICの点数の目安を730点としているようだが、そもそもTOEICで英語教師のクオリティを計っちゃだめ。百歩譲って、目安とするにしても、英語教師のTOEIC点数が730点なら、話にならない。


あらゆる市場がグローバル化している現在において、当然ビジネスは英語で行われる。なので、英語ができなければ、グローバル市場で生き抜いていく資格がないのも当然。日本国民は勤勉でよく働き、労働の質が相対的に高いとしても、全体の1%しか英語が話せない国と、全体の5割~8割が英語を話せる国(インドや南米などなど)では、得られるOpportunityの差がとてつもなく大きい。日本の中では、英語は必要ないかもしれないが、だからといって放っておいていい問題ではないだろう。


1)2)3)の問題については、これから改善していくのだろうか。ドラスティックな政治的イニシアティブがとられない限り、大きく変わっていくことはないだろう。

と、おそらく現在も変わらず続いているであろう、日本における英語教育に私は絶望している。

コンサルティングプロジェクト(BCAP)始まる。

Mod3からは、実際のクライアント企業に対するコンサルティングを行うというBCAPが始まりました。


1月中旬から5月中旬までの約4ヶ月間、クライアントから与えられるテーマに対して、チームで解決策を検討し、報告書をまとめ、プレゼンを行います。


私のチームのクライアントは、ペット向けジェネリクスに特化した創薬ベンチャーです。企業としては、まだ創業3年目ほどでとても若いですが、CEOがいわゆるシリアル・アントレプレナーであり、業界内において確たるトラック・レコードを残している点など、非常に魅力的な企業です。


今回チームに与えられたテーマは、ブランド戦略。

・(多額のお金を使うことなく)長期に渡って企業の成長につながるブランドを構築するための戦略とアクションプランを考えてほしい

というものです。


私にとってのチャレンジは、


①(ブランド戦略はやったことがないので)ブランディング、メディア戦略周りの知識の深堀りを計ること。

②レベル・意識の違うメンバーを、どのように足並みそろえて、パフォーマンスを高めるかというチームマネジメント。


の2つと捉えています。


特に②については、通常のコンサルファームでは所与のものとして、一定以上のスキルセット、マインドセットが揃っており、あまり頭を悩ませるポイントではないのですが、学生の集まりだとその点は全然違うわけで、同じようなやり方は通用しません。言葉の壁もあり、頭を悩ませています。