バブソンMBAのベンチャー日記 -60ページ目

大学(MBA)にコンサルティングを依頼するという考え方

本日はBCAP DAYでして、週一回この日は各チームとも自分たちが携わるコンサルティングプロジェクトの進捗にあてることになっています。(私のチームのテーマは、こちら

クライアントがペット向けジェネリックスに特化した製薬会社ということもあり、彼らの顧客にあたる獣医がどのようなニーズを持っているのか、また、飼い主と薬を処方する獣医との関係についてしっかり理解しなくてはいけません。そこで、獣医へのインタビュー、飼い主の実態調査をすることに決めていたのですが、今日はそのための調査設計すべく、目的・方法・調査項目・対象者・必要準備事項を議論して、決めていきました。


BCAPの面白い点は、「MBA生が実在の企業にコンサルティング・サービスを提供する」ことにあります。アメリカにあるビジネススクールで、コンサルティング・プロジェクトを導入しているところはいくつかありますが、全体としてはけっこう珍しいプログラムだと思います。おそらく、日本のビジネススクールで、類似のプログラムを導入している大学はまだないでしょう。


とはいえ、学生が授業の合間の時間を使って、コンサル・プロジェクトを進めるわけで、実際のプロの仕事と比べたら、質的な差がかなり生まれることは否定できません。また小額だが、全体の傾向としてスポンサー企業は200ドル~1500ドルの費用を大学側に支払っているようです。では、コンサル・プロジェクトの発注元となる企業にとっての価値としては何があるだろうか。


①必要な情報の入手 
②(学生ならでは)斬新な発想やアイデアの獲得
③打ち手に必要なコストや時間の短縮 = リソースとしての代替
④(運がいいと)ものすごい価値のある提案を受けられる
⑤有名校とWin-Winの関係を構築しておくことで、教授やその他リソースを(将来的に)活用できる


考えられるものとしては、上記の5つがありそうです。他のチームのプロジェクト内容とかを聞いていて思うのですが、企業側は目的・期待を絞りこんで、テーマ発注している感があります。上手につかっているなぁという企業は、学生チームの限界もある程度見越して、かつ、ある程度ストレッチさせた目標設定にして、アサインメントを投げています。


大学-スポンサー企業-学生の3者の間で、Win-Winの関係を築けているからこそ、このプログラムは長続きしているのでしょう。

ソーシャルメディア(特にツイッター)により企業のマーケティング戦略が変わる

日本でも、個人の間でツイッターが一気に普及し始めた感がでてきてますが、企業レベルで積極的に使い始めている会社はまだあまりない様子。


一方、アメリカでは、SNSをマーケティング戦略に積極的に活用し始めている会社がでてきており、そのインパクト(効果)は非常に大きいと感じています。


分かりやすいのが、格安航空会社のジェットブルー。以下は、こちらからの引用。
ジェットブルー(@JetBlue)は、ツイッターでのフォロワーが160万超というだけでなく、11万以上をフォローし、DM(ダイレクトメッセージ)の利用も多い。ジェットブルーのツイッター活用は、理屈を言うより、まずいくつか例を知るのが近道だ。
◆空港カウンターで待つ乗客にすぐ対応
 デイブ・ラファエル氏は、ボストンからデンバーの4時間半のフライトで空調に悩まされ、到着してすぐ「@jetblue 7:55pmのボストン-デンバー便は暑すぎた。ひどいよ。」とツイート。すると、なんと2分後にジェットブルーから「教えてくれて感謝します」とのメッセージが。ラファエル氏は、自分を気にかけてくれていることに印象付けられた。
 そして翌日遅く、帰りの夜間便の前にリラックスしようと早めに空港に向かった。ところが、カウンターには誰もいなかったのである。そこで「@jetblue デンバー空港でバッグをチェックインしたいが、カウンターに誰もいない。どうしたらいいんだ?」とツイートした。すると、7分後「GM(ジェネラル・マネジャー)とスーパーバイザーに知らせます。何人もお待ちですか?」、29分後「GMのテレサに知らせました」、36分後に「間もなくクルー・メンバーが到着します」との返答が。
 途方に暮れそうになったラファエル氏の気持ちが救われたのは言うまでもないだろう。
このように、ジェットブルーはツイッターにて既顧客・潜在顧客をフォローすることで、現場で何が求められているかをリアルタイムで把握し、即問題解決につなげることで、サービスレベルと顧客満足の向上を実現している。そして、この事実が、ツイッターでつぶやかれ、他の人たちもジェットブルーに対して関心を示すようになるわけだ。ジェットブルーは、どうやら”ジェットブルー”に関してつぶやている人を探して、その中でも特に影響力のある個人を中心にフォローしているようだ。潜在顧客に気味悪がられないように、慎重に(丁重に)個人と接している点も非常に興味深い。


何がすごいって、ツイッターを用いることで、従来のマーケティング戦略の基本理論が大転換を迫られる点である。伝統的にマーケティング戦略は、STPといって、顧客をいくつかの共通のニーズをもつセグメントに分け(=セグメンテーション)、そのなかでのターゲット顧客を決め(=ターゲティング)、自社の立ち位置を決める(=ポジショニング)ことで、より効率的・効果的に儲かる仕組みを創るという考えに基づいている。


しかし、ツイッターをはじめSNSを利用することで、企業は「顧客セグメント」ではなく、「特定の個人」に対してダイレクトにコミュニケーションをとることができる。SNSのメリットは、不特定多数のユーザーの中から、特定少数のインフルエンサー(強い影響力を持つ個人)を特定できることだ。日本で言えば、勝間和代氏やほりえもんがわかりやすいだろう。彼らのようなある種オピニオンリーダーが、「これ、すごくいいっ!!」って、ツイッターでつぶやけば、30万人強にそれが響き、その30万人強が共感すれば、もう一回りすることで軽く300万人に影響を与えることが出来る。企業のマーケティングサイドからいえば、このようなインフルエンサーに対してどのようにアプローチし、よい関係を築けるかが鍵を握ることになる。


マス・マーケティングの実効性がどんどん落ち込んでいっている中、SNSを巧みに活用する企業は、より大きなインパクトを顧客に与えることが出来る。日本でも、早晩ジェットブルーのような企業が出てくると思われます。ちなみに、今日大学の講義で、インターネット・マーケティングの会社のVP・マイクさんは、SNSをつかったマーケティング戦略の肝は、「自社商品についてではなく、あくまで顧客について語ることだ」を仰っていました。


あと、関連する話題として、グロービスの堀さんのツイッターに関する仮説とそれに対するほりえもんのつっこみが面白い。日本で最高峰のインテリジェントの一人に対して、ほりえもんは完璧に上から目線なのがうけるにひひ
※参考
ツイッター7つの仮説
堀さんがtwitterに関する面白い記事を書いてたので突っ込みなど

バイラル・マーケティング

DMS(マーケティング)のクラスで、バイラル(口コミ)・マーケティングを主題にしたケースを扱いました。


Hasbro社は、アメリカでの大手玩具会社。POXという名の通信対戦型・携帯ゲーム機を開発し市場に投入する予定となっている。POXは、8歳から13歳の男子をターゲットにしており、全米でターゲットカスタマーの20%のシェア獲得を目指している。従来型のマス・マーケティングに頼っていては、20%の顧客シェアは難しいため、Hasbro社は、従来の延長線上になり販促方法として、シークレット・エージェント・プログラムを企画した。


このシークレット・エージェント・プログラムというのはかなり面白くて、シカゴ(最初のターゲット都市)にある全小学校を対象に、各学校の中で「最もクールな小学生」を選抜し、その小学生に対して11機のPOXを無償配布し、彼が自分の友達10人にPOXを配って、友人同士で盛り上がり、口コミ拡大を狙うというもの。最もクールな小学生を選ぶために、公園とかにいってそこらにいる男の子にクールな友人を紹介してもらって、そのクールな男の子に電話で適性をチェックし、合格したら、親の了解をとって、シークレットエージェントになってもらうっていう、大変に面倒なプロセスを経て、マーケティングプログラムを展開している。


結果的に、バイラル・マーケティング自体は成功するものの、商品自体の完成度が低かったため、ヒットはしなかったという悲しい結末になってしまうんですが、バイラル・マーケ・プログラムはユニークで面白かったですねというケースでした・・・