なかなか小説を読む時間を自分に作ってあげられなくて
それでも手元にすべりこんできてくれた本がこれ。
「森に眠る魚」角田光代 著
![]() |
森に眠る魚 (双葉文庫)
741円
Amazon |
うちに同居してくれている女子大生Rちゃんが
通学電車の中で読んでいる小説をたまに貸してもらう。
この1冊もそう。
私も移動中に細切れに読んだので、
2か月くらいずっとこの世界観とともに暮らしてしまった。
未婚の学生の彼女が、どのくらいのリアリティをもって読んだかはわからないが
私は相当な胃もたれ感。
ものすごくリアルに描かれた、ママ友というよりママ沼の光景。
幼稚園入園や、同じマンションの縁で知り合った「ママ友」たち。
やがて受験をめぐり、人間関係が変化していく、という
群像劇なのだが
章ごとに視点が変わるのだが、ひとりひとりの
その独白のえげつなさ、、、、
しかも一人称でなく三人称で描かれるので
本人のえげつなさ+その周辺環境というのが
絶妙に客観的に見えてしまい苦しくなる。
見栄や恐れや競争心や卑怯さなどなど・・・
それは自分自身のえげつなさを、見せつけられているようだ。
そして後半、
対立し隠し、疑心暗鬼になり劣等感を持ち病んでいく女たちの混沌が
これまた自分がいまいる地と地続きの沼地であるという感じがして
気を抜くと、足は抜けなくなる、
そんな恐怖がある。
大変に秀逸だと思ったのは(たくさんあるのだけど1箇所)
すべきことは、日々の向こうからやってきて、それをこなしさえすれば
繰り返しに疑問を持たなければ、
日々は自分を裏切らない。
というようなくだり。
子育て生活はあまりに他人(赤ちゃん)軸でまわる。
大変だけれど思考停止して没頭してみると
ある意味ものすごいラクになる部分もある。
自分自身の勝負から降りて、集中すべきもの、を与えられたから。
しかしそれが、あらたな勝負になっていく。
本当はそもそも、勝負の設定がおかしいのだけど。
ママ友との関係だけでなく
夫婦間のすれ違い、子育て当事者感覚のズレ
母自身のきょうだいとの比較
なども描かれていて本当にリアルだ。
小説として面白い、けどこの重さ、、、誰におすすめしたいかなあ。
主人公たちと同世代、幼稚園児ママくらいの方で
なんかもう、息苦しいなあ!と感じている人や
距離をおいて「あれはなんだったんだろう」という人。
その「なんか」や「あれ」の正体を知るために、おすすめしたいかな。
なぜなら、ここに描かれている「本音の独白」は、普段は聴くことがないから。
だからこそ本音をさぐりあい、さぐられないように距離を保とうとする人々には
こんなに全部見えちゃってる!というのは新鮮かもしれない。
そして、全体像を見て
その深刻さと滑稽さに気づくようなきっかけになったら
私としては嬉しい。
息苦しい沼からは上がり、
比較や競争ではないところで
自分は自分の子どもは子ども本人の
大切にしたいものを育めるように。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
以下、高橋ライチ 募集中講座です
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
この春スタート!思春期母サポート半年コース
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4/16 新月のココロカフェ・オープンクラスはこちらから!
3か月実践コースは、こちらから!
・・・・・・・・・
映画を観て、感じたことを話す対話の場
4/21(土)映画deダイアログ
「ローマの休日」を語ろう!@池尻大橋
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4/24(火)生きる力を育む!子どもの話を聴くコツ講座@オンライン
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
各種講座に日程が合わない方は、個人セッションへ♪
個人セッション「ブライト・マインド・カウンセリング」→突然でも捕まえてください
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
話せる場・聴く力をすべてのママへ
リスニング・ママ プロジェクト
Skypeで20分、無料で話せます。妊婦さん~小学生母のみなさんへ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
お申込み・お問合せは こちら から