キャリアか結婚か
仕事に誇りを持ち、キャリアを築いてきた女性に立ちはだかる問題、愛情を選ぶ代わりに仕事を妥協して結婚したケースについてです。地方の名士や代々続く良家の子息と結婚する場合、たいてい専業主婦になって欲しいと言われます。今の時代、時代錯誤じゃない??と思いますが、夫が言わなくとも、義両親や親戚筋から往往にしてプレッシャーをかけられます。私の友人は、地方で病院経営をしているご子息と結婚をしました。もともと営業職で仕事の達成感や自己実現も経験してきた彼女は、プロポーズの後に結婚したら仕事を辞めて家に入って欲しいと言われ、結婚=仕事を辞めるという発想がまったく無かったため、かなり悩んだそうです。仕事を辞めたら、院長先生の奥さんという肩書きだけになり、自分の居場所が無くなる焦燥感を感じながらも苦渋の決断をして、専業主婦になることを選びました。最初のうちは、自由気ままにジムやエステに行ったり優雅な時間を満喫していた彼女でしたが、もともと仕事が好きな彼女は悠々自適な生活にすぐ飽きてしまいました。誰もいない家で夫の帰りを待ち、夕方になると台所に立って夕食作りをする毎日。誰からも評価されず、自分は何をしているんだろう、自分は社会に何も貢献できていないと虚しくなるそうです。仕事のやり甲斐は他の何にも変えられないものだったと、仕事を辞めてから気付きました。愛情を選ぶ代わりに仕事を妥協した、その決断が正しかったのかどうか、いまだにわからないと言います。何を買うにも、どこへ行くにも、夫の顔色を伺う日々。それならば、自分で稼いで自分らしさを確立し、自由に暮らせる方が幸せな気がするとも言います。産休・育休中に彼女と同じ思いを経験する人は多いと思います。子供は絶対的に可愛いですが、仕事のような達成感は見出せないし、主婦や母親としての時間しかなく自分の人生を生きている感じがせず心が死んでいく感じ。仕事は他人から目に見えて評価されるからやり甲斐があるし、他者との関わりで社会とつながっていると感じられるけど、専業主婦は夫から感謝される時もあるけど、基本的にやって当たり前な風潮で評価されにくい。特にキャリアを築いてきた女性は、仕事が無くなるとアイデンティティを維持できなくてストレスが溜まってしまうと思います。私自身も夫と再婚し、地方都市に移住しました。下の息子は待機児童で保育園に入れませんので、一日中育児に追われ、たまの打ち合わせや出張も夫と義母・義姉に気を遣い、ファミサポと託児所をフル活用しながらこなしている状態です。保育園入園までの1年間の辛抱と思っていますが、この生活がこれ以上続けば、自分のアイデンティティが崩壊してしまうことは目に見えています。キャリアか結婚か、結婚を決める前に自分自身とじっくり向き合って選択しなければならない問題だと思います。