ひとつ前のかどはさよならサヨナラ -27ページ目
夢を喰らう

食べ頃の旬は
もう少しで叶うという頃かな?
なんて笑い話をまじえて喰らう

お前いつの間にそんな夢を!!

なんて驚いたり

夢のチカラ

そんな驚きの中で
僕はしてやられた気分と、仲間外れにされたような淋しさとを一度に味わい

友の夢の苦味を喰らう

友のチカラ

書いていて、すこぶる恥ずかしくなるこのチカラ
僕は、どれだけこのチカラと苦味に助けられたかわからない

愛する女性が凛と佇む花ならば
友はまるで水面に浮かぶ月の様

水面の月に素直に揺れながら静かに
自分を見つめる時間を思い出させてくれる

花見、月見、そろそろ雪見の季節も遠くない…


寒さを感じる嬉しさの中で
また夢を喰らう


当時の話を
16になってから、付き合う友達に話したんだ

友達は黙って聞いてくれていたけど
最後に思いもよらない事を口にした


イジメて来る様な奴らにはさぁ
しっかり親父紹介した方がいいよな


俺の親父ですってよ
足悪くたってすげぇんだぜっ
お前らには真似出来ねー生き方してんだよ
って


それを聞いて、何だか胸が詰まった

本当は一番
父を誰よりも疎ましく感じていたのは僕だったのかもしれない



父を弱い者と
思っていたのは僕なのかも知れない



あの時が僕が
父さん、みんなに父さんを紹介させてと
言ったら

父さんは応えてくれただろうか…と

いや、その前に
僕はそれが言えただろうか…





父さん。。。




でも、16の僕は
またその記憶から逃げた

夢はいつも逃げない


逃げるのは…



いつも自分自身だったんだ…


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山崎まさよし - One more time ,One more chance





僕はいじめられていた

イジメの理由を父のせいだと胸に刻んでいた

友だちと思っていた者たちが
僕の名前を呼ばなくなり、いつの間にか

お前

と呼ぶようになっていた

お前の親父ビッコひいて気持ちわりぃ
障害者の子供

親父、亀みたいにのろまだな

亀、亀

病気が染つるから
一緒の空気吸うなよ

お前んち
いつも浮浪者みたいな奴ら集めて何してんだよ

お前の家、外人ばっか

お前、

お前、

お前…



消しゴムのカスをぶつけられ

また

お前…

お前…

お前…

階段から突き飛ばされ落ち

また

お前…

お前…

お前…

笑い声が怖くて
自分だけが涙も忘れ鋭い目つきになっていくのがわかった

俺がぁやってんっじゃねぇー!!!

気がついたら
図工の時間、彫刻刀でからかうクラスメイトの足を刺していた

担任は僕を問題児といい、僕がイジメられていた事を言わなかった

知ってたはずだよ
僕がいじめられていた事

まわりは集団で僕が急にキレテ暴れ出したと言った

こうやって人は嘘をつくのかと感じた

母親は頭を下げ続け

父は
どうして俺の子なのに人の痛みがわからないのだと
僕を殴りつけた

父のせいでイジメられているとは
言ってはいけない気がした

父の足のせいだと
訳の分からぬ父の活動のせいだと
大声で言ってやりたかった

父に殴られた頬が痛く
我慢してきた涙がその上を通過した時

刺された子はもっと痛いぞ
と父が言った

本当に父などいなければいい
そう心で思う僕がいた

その時の夢を見ていて
目を覚ました

僕は16歳になっていた


続く→

RADWIMPS - 有心論