「たゆたえども沈まず」~宝塚歌劇団花組公演を見て~ | 浅き夢みし

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何を隠そう、わたしはフランス語フランス文学科卒である。

一回生の時のフランス語の教科書は、パリを紹介する本だった。

1区から20区までがカタツムリのように螺旋状になっていること、

そしてパリの標語が「たゆたえども沈まず」であることを知った。

 

そのセリフに、宝塚歌劇団花組公演「アルカンシェル」で再会することになろうは!

 

とっても久しぶりの大劇場。

 

「アルカンシェル」は、花組のトップ男役の柚香光、同じくトップ娘役の星風まどかの退団公演でもあります。

 

どのトップさんも、トップを務めるといいうのは本当に本当に!大変だと思うのだけれども、

コロナ禍で就任したカレーちゃんは大変なこと尽くしだったと思う。

しょっちゅう公演が止まるしさ・・・。

(せっかく当たった「うたかたの恋」SS席が飛んでしまったの、今でも無念だ)

 

(「はいからさんが通る」の柚香さん。この公演も飛んだね・・・何度取り直しても見れなかった)

 

加えて昨今の宝塚を取り巻く状況も厳しい。

そんな中であっても、粛々と舞台に向けて練習を重ね、組を率いて開幕したこと。

努力してきたのはカレーちゃんだけじゃないけど、そのプレッシャー、思いたるや

半端なものではないと思うのです。 心から拍手を送りたい。

 

(ランチのデザートにかかる虹)

 

(舞台にも虹かかかった)

 

物語の舞台は戦時下のパリ。ミュージック・ホール「アルカンシェル」の天才ダンサー・マルセル(柚香さん)と看板歌手カトリーヌ(まどかちゃん)が舞台を作り上げるために奔走するお話である。

パリを占領するナチスは、舞台の演目にも注文をつける。そんな中、少しでもお客さまが喜んでくれるもの、お客さまに元気を与えるものを作ろうとする劇団のひとたち。

水面下ではナチスに抵抗する動きもあり・・・。

そんな中、掲げられるのがパリ市の標語でもある「たゆたえとも沈ます」なのである。

 

「たゆたえども沈まず」ての、脚本・演出の小池先生の思いなのかも、て思った。

カレーちゃんに対するメッセージでもあり、

今の宝塚に対するメッセージでもあるのではないかと思いました。

 

柚香さん、ピアノ披露してくれたラブラブ

マルセルという役名にパントマイムの神様、マルセル・マルソーを連想したりしたわ。

聖乃あすかは物語の語り手として登場。なかなか難しい役どころだったんじゃないかと思う。

フィナーレで生き生きと踊ってる姿をみてほっとした。

次期トップ娘役である星空美咲はフィナーレでエトワールを務めていた。

劇中では、まだまだ歌が弱いような気がしたんだけど、役作りだったのかなw

まどかちゃんは宙組の「アナスタシア」で初めてちゃんと見た気がする。

宙組、花組、とふたつの組でトップ娘役を務めたこと、ほんと凄いと思うし、

ダンス巧者のカレーちゃんに見事に寄り添ったデュエダン、花組のみんなも

「ふたりのここがトレビアン」で絶賛していたけど、まどかちゃんもダンスが上手じゃないと務まらないよね・・・。

デュエダンは宝塚でしか見れないものだと思うので、一生懸命目に焼き付けました。

 

これを書いてる今、花組さん休演してしまっているけれども、再びつつがなく幕があがることを心から祈ってます。