滑れば滑るほどすべてやり直ししたくなる
パーフェクトにはほど遠い──
だが
今日しかない
今しかない──
お疲れ様です、爺ぃです。
なんだか「【絶対合格】SAJ スキーバッジテスト 2級 攻略法」という記事がそこそこ好評?のようで、とりあえず続編でも書けや!!というリクエストを頂戴しました。ペーパードライバーならぬペーパーC級検定員(1級検定のジャッジ3人のうち主任検定員以外の1人になれる)の爺ぃがスキー上級者の証!!スキーバッジテスト1級検定の攻略法なんて大それたものを語ってみたいと思います。
注: バッジテストとは、SAJ(全日本スキー連盟)によるスキー技能習熟度テスト。合格すると合格証とバッジがもらえる(お金もとられる)。
うっかり2級に合格してしまって・・・
これまた出来心で、、
1級まで狙ってしまおうかというアナタ!
そう、そこのアナタ!!
あなたです。
覚悟は良いですか???
ここから先はけもの道。
逝って後悔、逝かずに後悔・・・
覚悟?
んなもん、とうに決まっているぜ!!
という方だけもう少し、
この与太話にお付き合いください。
<1級検定は4種目 >
・ パラレルターン大回り
・ 基礎パラレルターン小回り
・ パラレルターン小回り(不整地)
・ 総合滑降
取得ポイントは検定員3名の平均値。
(小数点第1位を四捨五入)
70点平均の280点で合格。
失敗して70点が出なかった種目があっても、
加点種目を出して合計が280点以上とれば合格。
状況・条件に対応して滑る能力
1.ターン運動の構成
(ポジショニングとエッジング)
2.斜面状況への適応度
(スピードとターン弧の調整)
3.運動の質的内容
(バランス、リズム、タイミング)
↑↑↑
ジャッジの観点として、
こんな感じのことが言われています。
(( 共通のポイント ))
っと、
すでに2級に合格された方に今さらアレコレうんちくは不要でしょう。ひとつだけ言うのであれば、、、2回目以降の受検となった方も「事前講習修了証を持ってる」なんて四の五の言ってないで、事前講習は必ず受けましょう。
なぜって?
そりゃ、コースのインスペをオフィシャルにできて、さらにジャッジの観点も聞けるという貴重な機会です。これを受けずして検定に挑む方が
「なんで??」
って爺ぃは思いますよ。散々滑りまくって検定も落ちまくった会場で「今さらもう目新しいことなんて聞くこともなくなったしな~」ってレベルならいざ知らず、気持ちを落ち着かせる意味でも午前中の事前講習はケチらずに受けておきましょう。
雪質、ゲレンデ状況、コブのライン、天候・気温と、チェックして臨みたいことはいくらでもあります。滑りに関して気になることはすべて講師に確認して解決するべし(例:ショートターンの弧のサイズはもっと大きくとったほうが良いですか?など)。迷いを残さずに検定に臨むことって案外大事です。ただし、滑りを変えられない(微調整を超える)アドバイスが出たのであれば華麗にスルーしておきましょう。所詮、検定は一発勝負。できないことをやろうとして失敗しては損です。時には見ざる・言わざる・聞かざるも大事。
(検定は午前中が事前講習・午後が検定ってパターン多し)
Point.1
⇒ 事前講習は必ず受講!
((種目別のポイント))
【 パラレルターン大回り 】
Point.2
⇒ まずスピード。
スタートを直滑降気味に入れないようだとすでに用なし。1級検定に必要なスピード域にはおりませぬ。前走のコース取りは要注目。スピード不足にならないように気をつけよう!!
ただし、前走が上手とは限らないようなので「あらっ?」っと思ったときは自分を信じて思う通りの滑りをしてください。高速域の滑りは低速では身につきませぬ。スピードトレーニングはやはり大切。
Point.3
⇒ 流れを止めない。
レッスンを受けすぎていると、どうしても自分の滑りの課題や弱点が気になるもの。ただし、弱点を気にするあまり動きがこわばってしまったり、動きが止まってしまっては本末転倒。ロングターンは板から板への重心移動が肝。動きの流れを止めないように気を付けましょう。検定の雰囲気にのまれてくるとどうしても大事に・丁寧にいきたくなりますが、遠慮して大事に・丁寧に乗ったからといって運動に流れがなければ点は出ません。つまり百害あって一利なし。開き直って元気よく滑りましょう!!
Point.4
⇒ ターンサイズに注意。
緊張している中で演技をするためターン弧が小さくなりがち。滑り出す前にどのくらいのシュプールを刻むのか、ターンサイズをイメージしてから滑り出しましょう。緊張感にテンパってしまうと、足元に圧をもらってスパンっと中ターンくらいで切り替えたくなります。気をつけていきましょう。
【 基礎パラレルターン小回り 】
Point.5
⇒ 足首の緊張感が大事。
後傾になっているという指摘を受ける人は、足首の緊張感を確認してください。足首が伸びてしまっている、締まっていない、ロックしていない状態で滑ってもダメ。小回りも切り替えですっぽ抜けて後傾となります。悪いポジション取りが悪いポジションを呼ぶ、負のスパイラル。
Point.6
⇒ 捻りが大事。
浅いターンでターンしているんだかエッジを切り替えただけなんだか・・・という下に流されるだけのターンではダメ。グリップ感を持った小回りが大事。板に圧をかけた結果、板が反対へ走る。その中で切り替える。
ワイドにスペースをとる小回りより、最初はコンパクトに足のストロークの範囲で板を外へ出していく小回りの方が簡単かもしれません。肩のラインを水平にして、内倒しないように注意。ズレ幅は当然使ってOK。板を回し切ってから落ちる(落とされる)というのはダメです。圧し捻っていった結果、板が回ってくる感じ。膝を柔らかく使うイメージ。
Point.7
⇒ 地の利を生かせ。
春の検定で荒れたバーンになっているなら凹凸をうまく利用して弧をつくりましょう。爺ぃはピステンかかったきれいなバーンの小回りは苦手でも、荒場になればちゃっかり凹凸に板を当て込んで合格点をお持ち帰りしてました。ちなみに、爺ぃは1級検定5回も落ちてます!!しかも最後は月山の検定まで雪を追いかけての合格・・・(実話)。
Point.8
⇒ 左右均等であれ。
じぶんの滑りを動画に撮ってもらい、左右差がないか確認しましょう。傾いて入るターンはもちろん、回しながら落とす操作ができている脚と板を振り切ってから落ちる操作になっている脚。とにかくショートターンは粗が目立つ種目。ストックの構えも含め左右差があるケースが多いです。じぶんの滑りを研究して左右均等に整えましょう。
【 パラレルターン小回り
(不整地) 】
Point.9
⇒ 頂点で立ち上がるな!
コブが苦手という方の滑りを見ると、コブの凸で立ち上がってます。そこはまだ吸収したいゾーン。コブの頂点と思っているところは実はコブの棚で頂点はもう少し先です。コブの凸を吸収し体を小さく構えてからコブの溝に向けて足を伸ばしていきます。その第一歩として、コブの頂点まではしっかり吸収・立ち上がるのはNG。コブは色々なラインで滑る方法があります。スキースクールなどでもアレコレと指導を受けられると思いますが、コブの内側を削っていくのか、もっと板を外へ回し込んで行くのか、それとも縦目に行くのか。結局のところ、コブのラインを完走できなければ評価はゼロなので、まずは自分が一番好きな滑りのパターンで滑るのが吉。
とにかく滑り込むしかない種目。習うのであれば、肩書とかは抜きに可能な限り滑れる人に習いましょう(コブが苦手な指導員さんも結構います)。
【総合滑降 】
Point.10
⇒ ターン構成と流れが大事。
ターンとターンの繋ぎがギクシャクと、ザンネン・これは大失敗。ロングターンで入って途中でショートターンを入れ、最後は中ターンで勢いを殺すことなくゴール。斜面や雪質が変化しても、スピードがなくならないようにターン弧を調整。スピードが殺されると点数は伸びません。上手いんだけどねぇ・・・で、一点マイナス。リズム変化は斜度が緩くなる前にスパッと入れたい。基本的には流れを重視。雪がぐさぐさの中でショートターンを入れるとスピードが殺されるならミドルターンにするなど、構成は臨機応変に。検定バーンに斜度変化があれば、恐らく棚からの落ち込みが勝負のポイント。じぶんがジャッジする側になったつもりで、どんな組み立てが見栄えするか考える戦略が大切だと思います。
総合滑降の練習には動画撮影が最適。
騙されついでに取り入れてみてください。
※ iPhoneはかなり使えます。
<お詫び>
SAJ スキーバッジテスト2級 攻略法なんて記事だけを載せてるのは「まぁ、2級だったら世間様も大目に見てくれるだろう・・・」という甘えの意識が見え隠れした無責任さじゃあるマイカ?というのはご指摘の通り。そんなわけで爺ぃが考えるスキーバッジテスト1級攻略について書いてみました。これに加え、どこの会場(スクール)で受けるのが合格しやすいの!?みたいな夜の飲み会で盛り上がるようなお話もあったりなかったりしますが、それはまたの機会に。。。
検定合格の実力は備わってきているのに検定会の緊張感にいつも太刀打ちできないという、愛すべき方々はぜひ爺ぃの過去記事なんかも読んでいただけたら嬉しいです。
~ lumevangis ~
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