盛岡食いしん爺日記
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月に一度の通院は、盛岡の中ノ橋通の病院。
検査の結果は、まずまず。
処方箋を持って薬局へ。
終わると、1時半を過ぎていた。
中ノ橋通から旧町名の葺手町を歩いた。
この界隈には美味しい店があちこちにある。
町中華、カレーの専門店、老舗の蕎麦屋など、
歩いて数分の距離だが、盛岡らしい町並みで好きな場所。
中ほどに通称お不動さんもある。
その隣りにある紅茶の店「しゅん」へ向かった。
薬を待つ間にランチの店を決めていた。
Killing Me Softly With His Song · Roberta Flack
もう40年ぐらいの歴史がある。
ずいぶん前から訪れているが、数年前に取材させてもらった。
盛岡食いしん爺の雑誌はほぼアポなし飛び込み取材。
あの日も通りを表紙のモデルさん、
カメラマンさんやスタッフと撮影している時、
しゅんのオーナーが通りかかった。
「撮影に行っていいですか?」
「もう少しするとお客さんも少なくなると思うから、いいですよ」
「後で、行きます!」
「はい、こちらこそよろしくね」
と足早に店の方に向かって行った。
しゅんの前に立って写真を撮った。
ドアを開けて言った。
「わがままカレーありますか?」
「はい、お二階へどうぞ」
木の階段を上がる。
外からは思いも寄らない空間に初めての人は驚く。
入ってみると吹き抜けまでありけっこう広い。
階段を上がると踊り場があり左右に分かれ、また数段上る。
たいてい左に。
道路側の窓際がお気に入り。
しばらくして登場した人気の「わがままカレー」。
いい香りをいっぱい吸い込む。
見た目から楽しく嬉しい。
サフランライスにスパイスのきいたカレー。
毎回スパイスを挽き、地元岩手の鶏肉を仕込むのだ。
幸せなランチの始まり。
美味しい~
ココットも好きだ。
私の好みの玉子の焼き具合。
インド風の飲むヨーグルト「ラッシー」。
甘味をつけず、ヨーグルト本来の味。
さっぱりとしていい感じ。
いつも食べながら思う。
これは、刻まれたピクルス。
好きなセロリの香りもした。
細かく刻まれ食感も楽しい。
盛岡では珍しい紅茶の専門店の「しゅん」。
この名前も聞こうと思いながら、まだ確かめていない。
直輸入した茶葉の小売りも。
しゅんで飲む紅茶は薄めだ。
スパイシーなミルクティーもあるが、
基本は、なにも入れず日本茶と同じ様に飲み、楽しんで欲しいとのこと。
ここのスコーンも美味しい。
カレーの後にゆっくり紅茶を飲む。
あ~そうか!
吹き抜けの空間は、紅茶色に染まっている感じだ。
自分の中で、そういうことにしておこう。
紅茶を飲み終え、階段を下りた。
その日、オーナーは出かけていたが、
確か娘さんに言った。
「久し振りでしたが、変わらず美味しかった」。
笑みを浮かべて、
「あ~よかった」と返してくれた。
葺手町の青海波の石畳風の路を歩き出した。
いつ歩いてもいい街だ。
駐車場の車に乗り込んで思い出した。
また、今日も「わがままカレーの由来」を聞いて来なかった。
次に来た時こそ、しっかり聞こう。