盛岡食いしん爺日記
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10月の上旬の夜のこと。
ちょっと出かけて8時近くに身体があいた。
盛岡の街中に戻ってきた。
気がつけば空腹感。
国道4号線を走っていた。
そうだ、もうすぐ丸亀製麵がある。
ここは丸亀製麵アクロスプラザ盛岡と言う様だ。
色々な店があるこの場所がアクロスプラザなんだろう。
9時を過ぎても悠々食べられる。
駐車場に停めた。
8時頃でも店に入るお客さんは途絶えない。
You Belong to Me (2015 Remaster) · Carly Simon
ドアを開けると、
うどんを打つ人、うどんを煮あげる湯気。
津志田の店は、とても活気がある。
全国チェーンといっても微妙に空気感や味が違う気がする。
いかにマニュアルがあっても作り手は別だ。
ただ、健康診断の正常値の様に、
基準の幅の中に納まっている。
そんな感じだと思っている。
並びながら、肉うどんに目がとまる。
いつも思うが、トッピング選びが楽しい。
並ぶ揚げたてサクサクの天婦羅やハムカツ、おにぎりなどのいい匂い。
ハムカツは子供の頃からの大好物。
丸亀製麵では厚めのハムだが、昔は薄くても喜んで食べた。
薄くて安いハムでも、かえってころもと一体となりサクサク感が強かった。
揚げることでハムの旨味が濃くなる感じ。
でも、初めて食べた時の記憶がない。
母が作ったのか、給食だったのか思い出せない。
とにかく冷めても美味しかった。
昔食べていたトンカツは、
薄肉で安い肉を使ったものしか食べていないのだが、
ハムカツの方がトンカツよりも好きだった。
ただ今でも迷う。
醤油にしようかソースがいいかな、と。
結局、その日は何もつけずに食べきった。
丸亀製麵のサツマイモの天婦羅は、ホクホク。
風味が濃い。
母の作る天婦羅で一番多かったのがサツマイモ天。
計画性のない母は、父の給料日から1週間は豪華な食卓。
2週間目は、そこそこ。
ところが残りの1週間は、悲惨だった。
数日前には、庭に植えていた紫と緑の紫蘇の葉の天婦羅。
皿に小山の様に盛られて出てくる。
サクサクと紫蘇は香るが、
いくら食べても胃が満足しない。
母の計画性の無さはしっかり私の中に受け継がれている。
豚肉が美味しい!
やわらかく、脂身もいい具合。
ここに来ると、ついネギを沢山盛りつけてしまう。
小梅のおにぎりも。
美味しい豚肉を食べるとご飯が欲しくなる。
各店で打つ、うどんはコシがあってモチモチ。
よく汁が絡んで美味しい。
母は蕎麦よりうどんを好んだ。
冷える季節は特に多かった。
土曜日でも昔は午前中は授業があった。
給食はないので家に帰ると、台所から醤油の煮える匂い。
ランドセルを片付け、テーブルで待つ。
丼でおかわり。
2杯目は玉子を持ってきて月見うどん。
温まり、今日は何をして遊ぼうかと、考える。
察した母は、「宿題やってから遊びに行きなさい」
小学生の頃は、「は~い」と答えたが、
背が伸びるにつれ返事もしなくなった。
私が30代の半ばで母はいってしまった。
鏡に映る自分はほうれい線も深く長くなり、髪の毛も白くなってきた。
母の写真は、まだまだ肌も丸亀製麵のうどんの様に艶々。
親を追い越し歳を重ねるのは、なんか不思議な感覚。
考えてみれば、私は30代の半ばから母の料理を食べていないのだ。
とにかく夕飯が遅くなっても大丈夫、
丸亀製麵でコシが強く艶々のうどんと懐かしい味のハムカツで大満足。
さっと美味しく食べてそんなことを思いながらの帰り道。








