盛岡食いしん爺日記
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盛岡で好きな場所の一つの通称桜山界隈。
岩手県庁などの官庁街と盛岡城址を背にした桜山神社に挟まれた一角。
盛岡の人は「桜山」と呼ぶ。
県庁の方から桜山神社に向かうメインの路地。
建物が鳥居に触れそうだ。
盛岡を訪れた人をここに案内すると、
昭和を感じると言う。
この一角に百軒余りの店が鮨詰めに並ぶ。
盛岡の三大麺のじゃじゃ麵の元祖、町中華の老舗などのほか、新しい店も。
新旧が入り混じっても不思議なほど漂う昭和の雰囲気。
昔、昼も夜も官庁街のネクタイ族で賑わった。
それぞれお気に入りの店があった。
今は、若い人も多い。
誰かに盛岡の街を話す時、桜山は外せない。
Chess Mx- Medley de Boleros cover Vol.2 ( Cien años, Dos gardenias , Adoro)
桜山神社の方にある「モンタン」。
今日は、混む時間を避けやって来た。
モンタンと言えば「ア・ラ・モンタン」。
昭和40年代に始まったトマトスープスパゲッティ。
盛岡の繁華街大通りで始まったモンタンは、
踏襲され桜山で復活し、もう半世紀。
今やアラモンタンは盛岡のソウルフード。
風が冷たくなり、真っ赤なアラモンタンを食べたくなった。
行くと決めたらまっしぐら。
サラリーマン時代もそうだった。
昼のチャイムと共に目指した。
味のある店構え。
1時を過ぎていたが、自転車が並んでいる。
ドアを開けると、2階へ案内された。
螺旋階段を上る。
何度上ったことだろう。
幾千、幾万の人がここを上り下り。
剥がれてきた鉄の板が物語る。
窓際の席に案内され、席に着くと、
「ご無沙汰してます。」
向かいの人から声がかかった。
サラリーマン時代の仲間が座っている。
「お~」
挨拶に続いて近況と雑談。
脚が痛くてと言う。
先日の盛岡シティマラソンを走ったそうだ。
「何キロ?」
「勿論、フルですよ」
恐れ入った。
もう何度も走り切っているそうだ。
彼は、アラモンタンのMで私はL。
「よく、食べに来るんですか?」
と聞かれたが、思い起こせば今年初だった。
アラモンタンの酸味と辛味の絶妙なバランス。
やみつきになる魅惑のトマトスープスパゲッティ。
ベーコンの上にトマトがのり、
さらに山に降る雪の様に粉チーズ。
太めのスパゲッティにスープが絡む。
美味しい~
向かいのランナーは用事があり、
「では、お先に、また何処かで。」
と笑顔を残して螺旋階段に向かった。
時々フォークをスプーンに持ち替え、スープを飲む。
心にまで染みてくる。
スープも殆ど飲み干す頃には、芯から温まった。
変わらない美味しさは、いい。
食べた後は、小さなカップで珈琲がつく。
ゆっくりホット珈琲を飲む。
しばらくして会計に向かった。
二代目のマスターがいた。
「変わらず美味しかった。」
と言うと、
「ありがとうございます。今はスパゲッティは出せませんが夜もやってます」
「へ~」
「よかったら飲みに来てください。」
ドアの傍の壁に貼られたモンタンの歴史。
花巻市の萬鉄五郎記念美術館で「モンタン展」が開催され、見に行った。
マスターは、モンタンの歴史を分かりやすく展示。
来るたびに見ている。
モンタンは、これからどんな歴史を刻んで行くのだろう。
昔の様に夜に文化人が集まる様な場所になったら素敵だ。
いつか、夜の部を覗いてみよう。


















