十五年戦争小史 著:江口圭一 | my life without me

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デブでボッチなjedによる独り言。

 読むのに時間がかかった。明治期に日清戦争、日露戦争を経て満州と言う植民地があり、国際連合で常任理事国だった日本。米英との協調路線の宮廷派とアジアモンロー主義に傾倒した軍部。柳条湖事件をきっかけに軍部の策謀で戦線拡大路線に陥り、盧溝橋事件を発端に日中戦争、大東亜共栄圏を確立しようと太平洋戦争に発展し、第二次世界大戦の末、原爆が投下され、ポツダム宣言受諾となるまで、足掛け十五年の戦争をその原因、内閣、領土、搾取、虐殺、徴兵、一億総玉砕と昭和天皇を中心に、見事に日本が傾いて行く様子を限りなく史実に忠実に具体的な名前で書かれてある戦前史を網羅した一冊だった。

 

 日中戦争に先立ち、アメリカからの石油が禁輸され、領土を拡大して現地人の資源を強奪すると言う形で太平洋戦争へと発展した。最初は奇襲攻撃でどんどん領土ばかりが拡大して行ったが、フィリピンや台湾、マレーシアなど、日本に占領された地域は英国、フランス、オランダから植民地を脱せると期待を持ったが、占領下では植民地の宗主国が日本に変わっただけで劣悪な環境に置かれ、そして、独立の機運が高まって、日本の敗戦により独立したのである。

 

 ネトウヨは日本がアジア諸国の独立に一役買ったなどと妄言を吐くが、日本の占領により労働や米の強奪、など酷い目に遭わせたのは日本なのである。そして原爆が落とされたのも昭和天皇が早期にポツダム宣言を受諾しなかったからなのである。

 

 昭和天皇はそれでも日本国のトップに君臨し、天寿を全うしたがその戦争責任は重くのしかかる。天皇を中心とし、特攻までする程、日本人の心の中に居座った皇族だが、戦争が終わり、その責任を逃れている昭和天皇を見て日本人の心の支柱では無くなってしまったのが、昭和天皇の功罪なのだと思う。

 

 今でも皇室に忠誠や憧れを抱く市民は多く居るだろうが、それは上皇様、上皇后様がその人生を慰霊に捧げた事が大きく影響してるだろう。そして現在の天皇陛下と皇后陛下の人柄に依る所が大きいと思う。

 

 しかし、小室圭さんと眞子さんの結婚、秋篠宮の贅沢と悠仁親王の教育に係る紀子妃殿下の暴走。元々秋篠宮皇嗣は平成上皇と血の繋がりは無いとまでゴシップでは囁かれてる。そして、日本人も皇室に忠誠を抱くと言うより、皇室に物申す人も多くなった。

 

 愛子天皇が誕生し、女性天皇の時代が来たら、悠仁親王が天皇に即位され、皇統の血筋が崩壊したら、日本人は一体どのくらい皇族の必要性を感じるのでしょうか。

 

 それもこれも、昭和天皇が戦争責任を天皇だと言う事で回避され、日本人の精神的支柱から下された事に起因するのでしょう。

 

 万世一系の男系天皇と拘り続けるのも、天皇陛下が日本の国家元首となる事も、もう終わりが見え始めているのかもしれません。

 

 徳仁天皇陛下はもしかして、最終天皇陛下と言う事になるのかもしれません。是非、日本の為に最後のご聖断を下して頂きたいと思うのでした。