外観から想像できるように
客室にたどり着くまでのホテルの廊下は長い。
しかしところどころに、かつての駅舎のスケッチや写真等が
飾られており、飽きることがない。
二階と三階、この額縁だけ見回っても
ちょっとした美術館観覧気分だ。


観覧といえば、
このホテルならではの外せないスポットは、
丸の内南口のドームとその下を行き交う駅を利用する人々を
ホテルの内側から眺められる場所があること。

美しいドーム天井をホテルの3階から見る

ドームの下に駅構内が眺められる
コロナ禍の日曜の夜、人がいなさすぎてむしろシュール!?
今回のお部屋はプレミアムツインということになっているが
なにせ半額以下キャンペーンでの宿泊だ。
良い条件のお部屋を望むのは
虫がいいというもの……。
そんな予想を鮮やかに裏切って
案内されたお部屋は理想的だった。
パレスビューのゲストルームではあるが、
なにせ横に長いステーションホテル
端のほうでは景観が全然違う。
しかし、宿泊した2024号室は
駅前広場から続く広い行幸通りの向こう側に
皇居の森が見渡せる
ど真ん中の数室のうちの一室だった。
これは感激もの。

まさに数少ないお部屋のパレスビューど真ん中(翌朝撮影)
お部屋の豪華さもため息が出るばかり。
しばし写真の羅列で。

ドアを開けてすぐベッドルームが見えないのが期待感を
さらにアップさせる

振りかえって、入口のドアまでちょっとした廊下

天井の高い広々とした客室

作家やビジネスマンなら作業に集中できそうなデスクが
仕切られたところにある
松本清張など作家が多く宿泊しているホテルなので、
メモパッドは原稿用紙のデザインなのだと、
客室係のスタッフが教えてくれた

その反対側はドレッサー

右手に浴室とトイレ、奥は洗面台

洗い場も広い浴室
ゲストルームに興奮しているうちに
いつの間にか夜の帳が下りきっていた。
駅前広場に規則正しく並んだ街灯が
光を増してきた。
入ったときから客室に流れているジャズが
夜のムードをいっそう盛り上げてくれている。
趣のあるホテルというのは、
光と影も違って見えるものだ。
美しいシャンデリアの影が長く壁にまで伸びて
それを眺めているだけで、いくらでも時が経ってしまいそう。
影といえば、
バスルームにも水の影が現れた。
浴槽に浸かって
ふと天井を見ると、
水のゆらぎが天井に映っていた。
優雅な空間の中ではそんなことも楽しい。
ふと、7月に訪れた
オラファー・エリアソンの展覧会を思い出す。
光と影を操る彼の
展示作品の中の一つは
まさに水のゆらぎの影が
頭上に映し出されて美術作品になっていた。
子どもっぽいと笑われそうだが
実は小さな虹も部屋の中に発見していた。
ゴージャスな洗面台の
白い陶器の部分に
照明の光がどう屈折したものか
細く淡い虹が浮かび上がっていた。
こんなことに目をとめるのは
私ぐらいのものだろうが、
ともかくも雰囲気のあるお部屋は
影や光までも美しく感じるということだ。
宿泊できたお部屋は最高だったが、
翌日はさらなる幸運が待っていた。
(つづく)

浴槽に浸かって見上げ、壁の照明とは反対側に首を傾けると、
天井に水のゆらぎが映って見える

白い洗面部分に淡い虹のアーチが現れる
それだけピカピカに輝かれているということか
(8月30日)