柚木麻子さん著
『らんたん』を読み
この時代の女性にすっかり魅了され、
今年はこの時代の女性たちの本を
色々読もうと思い
今回はこちらを読了。
ゆめはるか吉屋信子上・下
著:田辺聖子
吉屋信子は
大正、昭和の大人気作家。
少女小説『花物語』からはじまり
晩年には『女人平家』などの
歴史小説も書きました。
めちゃくちゃ
おもしろかった~~![]()
著者は
『ジョゼと虎と魚たち』などを書いた
田辺聖子さん。
分厚い上下巻2冊でしたが
夢中になって読みました。
吉屋信子のものがたりと同時に
著者による説明や
作品の紹介やあらすじ、引用などが
多数盛り込まれています。
今回も本当にたくさん
感想があるのですが、
まず驚いたのは
書きに書きまくって
この時代に女性が筆一本で
稼ぎに稼ぎまくったこと!
昭和12年、
税務署の所得査定に
信子が抗議した際の所得は
”おそらく文壇随一”
と著者は書いています。
またその際の新聞でも
”実業家でも極めて少数以外は、
信子の年収に及ばない”
と書いていたそうです。
そしてこの年には
運転手を雇って自家用車を購入。
(昭和12年に自家用車!)
さらには
そのもっと前の昭和3年、
すでに成功を収めていた信子は
潤沢な資金を持って
生涯のパートナーとなる
同性の門馬千代と共に
パリを中心に約一年間の旅に出ます。
信子32歳の時でした。
この時代に
女性がこれだけ稼ぐって本当すごい!
本は売れに売れ
コラムなどの執筆も後を絶たたず
映画化舞台化されるなど
絶大な人気を誇るものの
文壇からは
家庭小説や大衆小説として
文学的評価は冷ややかなことも
少なくなかった様子でした。
しかし、常に
女の味方として書き
女の立場から発言をし
男権思想への反発を示していた
という信子の作品には
今読んでも
興味深いであろう話ばかりでした。
少女小説においても同様で、
外見に自信が持てない少女が
”自分は自分でよい”
”この自分をこのまま大切に”
と自愛を知る『からたちの花』は、
本の中のあらすじによると
現代のルッキズム批判や
ボディポジティブなどを
先取りした話にも感じました。
著者はこう書いています。
女こどもの読む通俗小説、という印象だけで、<通俗小説研究>を怠り、侮蔑してきた高慢な従来の文学史を、いまこそ、書き改めるべきときがきているのではないか。
今まで私は
吉屋信子を知りませんでした。
私の不勉強もあるとは思いますが、
それでも
これだけ人気と実力のあった作家を
知らなかったということは
まさに著者の言う通りなのではないかと
私も思います。
吉屋信子は
「いつの時代でも、女が女にやさしくあり合わなくてはね」
と言い
また、
後進の女性作家の面倒見もよく
同性から慕われていたとのこと。
作品の中でも多々
女の友情が描かれています。
柚木麻子さんが『らんたん』を
書くにあたり
影響を受けた本の1つとして
紹介されていただけあり、
『らんたん』のテーマとも通じるものを
感じました。
また、『らんたん』には
女の友情だけでなく
”女の友情と恋愛は両立するのか”
もテーマにあることに
Roseさんの感想を読んで
気が付きました。
▽
https://ameblo.jp/lady-victorian/entry-12726760259.htm
その他、多様な戦い方を肯定している点など
自分では気が付かなかったことを
たくさん書いてくださっていました
吉屋信子の小説『女の友情』で
ヒロインの1人が夫に示した
【良人(おっと)の心得】に
”妻の女友達との交際に理解と同情を持つこと。”
が入っていたこともリンクしました。
女性が結婚や恋愛により
個としての活動(友情・仕事・趣味)より
家庭を優先してしまう現象は
確かにあるあるです。
『らんたん』と同様
こちらの本においても
明治・大正・昭和を生きた
様々な女性が登場しますが、
こちらでは
与謝野晶子、長谷川時雨、宇野千代
林芙美子、宮本百合子、山高しげり
などの文壇勢を中心に。
『らんたん』のすぐ近くで
こういう華やかな世界も
同時に展開されていたことを知り
その点も面白かったです。
そしてここでも
少女だった吉屋信子に影響を与える
新渡戸稲造。
「アンクル新渡戸ー!😭」
って叫びたくなりました(笑)
他にも
母娘の話など
育った環境が及ぼす
少女の自尊心への影響
大きな成功をおさめ
生涯独身で同性のパートナーを
選んだ女に対する
偏見と嫉妬の入り混じった
男からの揶揄嘲弄
ケアに関すること
とうとう
色々思うところが多かった本でしたが
なによりも
吉屋信子という
この時代をかけぬけて
多くの人に影響を与えた作家を
知ることができてよかったです!
吉屋信子の書いた
小説そのものも読んでみたいです!
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