ガールズ&パンツァー | 原型師は燃えているか?

原型師は燃えているか?

見せてもらおうか そのオヤジの奮戦とやらを

ウザいクライアントがあり、しばしば仕事の進行を妨げられイライラしっぱなしの、ここ数週間。
仕事は何社か平行して進行するのが普通。
私は専属契約ではないのだ!
そんなに拘束するなら専属契約料を払え!!

と、仕事でイラついてる中、ガールズ&パンツァーが一服の清涼剤となり正気を保っている?w
この作品、監督の水島努氏が「ほのぼのとした学園生活を描きます」とか言っていたので、あまり期待していなかった。

だが、このセリフは敵味方を欺く欺瞞情報だった(笑)。
第5話まで見る限り、この作品の実態は戦車兵の(様々な)成長を描く、本格戦車戦アニメだw。
水島監督も戦車マニアだったんだなと認識。
美少女キャラや学園生活と戦車描写のウェイトは50:50程度なので、一見するとダマされるが、日常生活自体にも軍ネタが入り込んでいるので、軍ネタ度数は80%と言えるだろう。

この作品の美点は。。
1.戦車運用と描写のリアリティ
2.実写映画を凌ぐ、砲音声とブラストの再現
3.軍隊ネタが豊富に詰まった背景画を含むバックグラウンドとセリフ
4.宮崎、押井作品のような出し惜しみをせずにw、戦闘を見せてくれるサービス精神の旺盛さ
。。が挙げられる。

特に1に関しては、スタッフがなかなか戦車を理解して描いているのが、マニアであればある程判る。
プラモマニアは外見の細かい差異に拘るが、運用に関するもっと深い細部が描写されている。
例えば、IV号戦車砲手席の砲塔旋回角インジケーターが連動して動いていた事や、砲排煙の為にハッチを開けていたのに気づいた人は居るだろうか?
この描写を見て、私は「もの凄いアニメだ」と思った。
既存アニメ中で、最もマニアックな戦車描写をやっていると断言出来る。。と思う。

また、米英戦車のテレスコープ眼鏡やパノラミック眼鏡のレティクル表示を調べるなど、スタッフは苦労したに違いない。
これらは日本語文献では殆ど無視されている情報だから。
調べるには実車の教範を見るか、その二次情報に頼らざるを得ない。

ただし、突っ込みを入れるとチャーチルMk.VIIのテレスコープレティクルは、砲表示に「6pd」とあったのでMk.III~IVのレティクルと思われる。
Mk.VIIは75ミリ砲で、弾道特性が6ポンド砲と異なる様に思うのだが、ほぼ同じ特性だから共用なのだろうか?(私も知らないw)
それと5話のM3ドライバー席視点と思われる映像で表示されていたレティクルは、行軍時に視察ハッチを開けっ放しにした時に取り付けるウインドスクリーンのパターンだと思う。
同様の物は他の米軍戦車の操縦席にも用意されている。
劇中の3Dモデリングでは、戦闘中なので勿論取り付けていない。

とか書いているが、「来週が早く来ないかな」と思うようなアニメは『ブラックラグーン』以来か?
私は「ガルパン」が気に入った!
1クールだけじゃなく、もっとやって頂戴!!