lowverのブログ -5ページ目

lowverのブログ

lowverのブログです。あまり更新されないかもしれません・・・(^^;;

当ブログでは過去何度か打点について書いてきました。
読まれた方の中には、打点は全く無意味だと当方が考えていると誤解されている方もあるかもしれません。
前回記事のように云われない批判も頂いているようです。

そこで今回は、打点という指標が一体どういうものなのかを、良い点・悪い点を含めて見ていきましょう。

まず、打点とはそもそも何か。
基本的には打者が安打や犠飛等の打撃の結果記録された得点です。正確にはダブルプレイの間に入った得点は除くなどの例外規定があります。より正確な定義は公認野球規則の10.04でなされています。
野球を観戦していても、そのプレーでチームに得点が記録されるわけですから、「活躍」したことがわかりやすいプレーです。

では打点が記録されるポイントは何でしょうか?
1つは打者の(特にチャンスでの)打撃力です。安打が多い方が、その中でも長打が多い方が、さらにその中でも本塁打の多い方が打点は増えるでしょう。それだけでなく、ランナーが3塁にいれば犠飛や内野ゴロの間の得点でも打点がつきます。三振をせずに外野に飛ばす、あるいはうまく転がす技術も高い方が有利でしょう。

もう1つポイントがあります。
チャンスで回ってくる打数の多さです。ランナーなしよりはランナーがいた方が、そのランナーも1塁よりは2塁や3塁にいた方が、さらにはランナー数も多い方が、野球というゲームの性質上、打点が稼ぎやすいです。
前回も掲載した2001~2011年のア・リーグの記録を再掲します。


打数打点打点率打率長打率IsoP
ア・リーグ平均得点圏216200(25.17%)841630.3890.2700.3590.089
非得点圏642907(74.83%)296580.0460.2660.3560.090


この表で「打点率」というのは、打点/打数を表します。この欄を見るとわかりますが、非得点圏の打点率は平均0.046なのに対して、得点圏では打率や長打率がそう大きく違わないにもかかわらず0.389へと8倍以上跳ね上がっています
では、チャンスで回ってくる打数が多い打者とはどういう打者でしょうか?
まず、3~5番を任されることが多い、チームの主力打者であることが挙げられるでしょう。事実、2001年~2011年の10年間でアリーグの打点王を獲ったのは、1人の例外を除くとみな3~5番を中心に打った選手でした。(ちなみに例外は2011年のNYYのグランダーソン(主に2番打者))
さらに、チーム全体の打撃力が強いことも挙げられます。前を打つ打者の打率や出塁率が良ければそれだけランナーもたまるでしょうし、後ろを打つ打者も強力であれば、チャンスで勝負を避けられることも少ないでしょう。実際、2001年~2011年の10年間で打点王が所属したチームの平均打率は、アリーグの平均打率を1回の例外を除いてみな上回っています。(ちなみに例外は2006年のボストン・レッドソックス。オルティスが打点王を獲得)

こうして見ると、チャンスが多く回ってきて(例えば強力なチームの中心選手で)、かつ打撃能力の高い(特に勝負強い)打者が上がりやすいということがわかります。
打点というのはこういう観点で評価すべき指標です。そこを逸脱しない限りは、打点も有用な指標の一つでしょう。

しかし、時として打点は本来あるべき観点を超えて用いられ、誤った印象を与える結果をもたらしています
例えば、選手個人の能力を判断したり、あるいはその選手がチームの得点にどの程度寄与しているかを判断しようとしているときに打点を使うと、おかしなことになります。
おかしくなるポイントは2つあります。
(1) 選手個人でなく、前後の選手の能力も含めての評価となってしまう
(2) 得点を決める能力以外の得点寄与能力が評価されない

説明しましょう。
(1)は前半でも説明したように、打点というのは選手個人の打撃能力だけでなく、チャンスでいかに打数が回ってくるかという、その選手以外の能力も含まれた評価になってしまっているからです。
(2)は以前の記事でも説明しましたが、チームに得点をもたらすプロセスに関係します。得点はチャンスを作り、そのチャンスで打って得点を稼ぐことで積み重なっていくものです。打点は後者を評価しますが、前者が評価されません。今回の上の方に出した表でも、非得点圏より得点圏の方が打点率が8倍以上高いことを示しました。これは言い換えると、得点圏にランナーを進める打撃というのは、チームの得点期待値をそれだけ高くしているということになります。これもチームの得点への寄与ですから、評価すべき働きです。
簡単に図式化すると以下のようになります。
lowverのブログ-打点

とかく、打点信奉者の方は、チームの得点への個人の寄与能力として使いたがりますが、それは不適切であることがお分かりいただけるかと思います。

打点に限らず様々な指標について言えることですが、指標を使う場合はその意味を理解して使わないと誤った評価となってしまうのです。
ごくごく当たり前のことを述べているつもりですが、人の先入観とは怖いもので、打点信奉者はここまで言ってもまだ評価を変えないかもしれません。ひとつ、上の図式を見て冷静に判断していただければと思います
6人目の世界のダイナマン氏が怪気炎を上げています。
http://ameblo.jp/miumalovely/entry-11279142102.html

当方の打点と打者の能力についての見解について、以下のように述べています。

(引用開始)
このアメブロでも
熱狂的なlowverというアホな信者が、かつて「関係が無い(薄い)」というようなことを書いて
オレを批判していましたな(笑)

アホとしか言いようがないです。

(引用終了)

もはや当方を中傷するくらいしかないのでしょうか?
当方は、打点と打者の能力が「関係が無い(薄い)」などと書いたことはありません
当方は、「打点」は状況依存性が高くチームの得点への寄与能力を評価するのには適切でないとは言いましたが、打点が打者の能力と関係ないなどということは言っておりません。2つの主張は全く異なります
これにまともに反論できないのか、当方が言ってもいないことに対して誹謗中傷ときました。「藁人形論法」と呼ばれる詭弁の一種ですね。
当方は以下の記事でも、打点が打者の能力と関係することを前提に評価を行っているのですが、そんなことはお構いなしのようです。
http://ameblo.jp/lowver/entry-11225200758.html

そして、当方が氏に対して図星の指摘をするのに耐えかねたのか、最後には「二度としゃべるな」と来ました。
ほとんどお笑いの世界です。

さて、そんなイチローですが、6月に入って3番から外されました。
氏の指摘の通り、3番での「打点率」なるものを見てみると0.081と、昨年までの平均と同じ値でした。
氏はそれだけを根拠に、打点は打順に影響するということを否定していますが、そんなに簡単なものではありません

以前、当方は上記記事中で「長打が従来と変わらなければ、そして年齢による劣化がより顕著化して来なければ打点率は0.106前後に落ち着くという予測となります」と述べました。
しかし実際は0.081と従来と変わらない値でした。
何が予測と違ったのか、きちんと検証してみましょう

まずは、前回提示した2つの表を再掲します。


打数打点打点率
イチロー74566050.081
ア・リーグ平均8591071138210.133






打数打点打点率打率長打率IsoP
イチロー得点圏1341(17.99%)4860.3620.3330.3820.048
非得点圏6115(82.01%)1190.0200.3240.3860.063
ア・リーグ平均得点圏216200(25.17%)841630.3890.2700.3590.089
非得点圏642907(74.83%)296580.0460.2660.3560.090

2001年~2011年の値です。

今年のイチローの3番だった時期の成績を見てみましょう。


打数打点打点率打率長打率IsoP
イチロー得点圏51(24.29%)130.2550.1570.2350.078
非得点圏159(75.71%)40.0250.3080.4090.101


いかがでしょうか?
以前の記事で予測した通り、打順が3番になったことによって、得点圏打数の比率が24.29%まで上がっています。ア・リーグ平均には届いていませんが、かなり近づいていることがわかります。しかしながら得点圏での打点率は0.362から0.255へと大幅に下がっています。一見してわかる通り、得点圏打率が.157と非常に悪い値となっていることが主な理由と考えられます。
一方非得点圏の打点率は0.020から0.025へとわずかながら上がっています。ホームランは少ないものの、IsoPが0.063→0.101と改善したことが要因と考えられます。

こうして見ると、今年に入って得点圏打率が異常に悪かったことが打点率に大きく影響していることがわかります。当然、チャンスで打てなければ打点率は下がります。しかし、同様に注目すべきなのは、得点圏打率がこんなにも落ちているにもかかわらず、打点率が去年までと変わっていないという点です。
おそらく、アンチイチロー諸氏は気に入らないのではないかと思います。これだけ得点圏打率が低いのに、何故昨年までと打点率が変わらないのか。

答えは簡単です。1番から3番になることによって、得点圏の機会が増えたため、得点圏打率が低くなっても打点率が下がらなかったということです。
これは、打点には機会と能力の2つが関連していることの表れです。
アンチの人は、打点は純粋に能力にのみ依存していると思いたいようですが、イチローの得点圏打率がこれだけ低いのにもかかわらず打点率が変わらなかったということが、逆にそれを否定する結果となっているのです。


6人目の世界のダイナマン氏は誇らしげに「打点があげられる、あげられないは打者の能力と大きく関係が有る」と述べていますが、当方はそれを否定したことはありません。
ただ、「打点があげられる、あげられないは打者の能力に関係するとともに、打順が回ってくる状況にも関係する」と考えているだけです。
数字を表面的にだけ捉えていては、本質が見えてきませんよ
前回はディベートについて書きました。今回は6人目の世界のダイナマン氏の
http://ameblo.jp/miumalovely/entry-11275405863.html
こちらの記事を題材に、論理的に反論するということがどういうことなのかを書いてみたいと思います。

そもそも、何日か前のこちらの記事で、当方について「人の記事を引用し、それに対してああだこうだ書くのはバカがやること」と述べているにもかかわらず、落合の言葉やイチローファンと称する人の言葉を転載してああだこうだ書いている時点で滑稽なのですが、今回はそこは不問にしておきましょう。

今回取り上げるのは以下の部分です。

(引用開始)
打率とかWAR?とか、RCという、ゴキブリイチローに都合の良いデータ(数字)だけを取り出し
「凄い打者」と崇める時点で、都合の良い点しか見ていないのは自明です。

だってそうでしょ。

打点とか長打とかホームランとか、OPSとか? そういうもっと重要な打者の能力の値もあるのに
それらの点を、なぜ、ゴキブリイチローのときは取り上げないのか?

(引用終了)

お気づきでしょうか?
WAR等が「都合の良いデータ」で、打点等が「もっと重要な打者の能力の値」と言っていますが、そこに何の根拠も述べられていません
ディベートであれば、このような論はただの個人的な感想文と同レベルです。

試しに、言葉を入れ替えるだけで逆の主張が出来上がります。

打点とかホームランという、アンチに都合の良いデータ(数字)だけを取り出し
「ショボい打者」と貶める時点で、都合の良い点しか見ていないのは自明です。

だってそうでしょ。

WARとかRCとか、そういうもっと重要な打者の能力の値もあるのに
それらの点を、なぜ、イチローのときは取り上げないのか?


元の文と論理構造は変わっていないのに、逆の主張になっています。
どちらが重要かという根拠がないからです。
当ブログのhttp://ameblo.jp/lowver/entry-11252488149.html等でも述べていますが、「都合の良いデータ」というのであれば、どう都合が良いかを言わないと意味がないのです。
今回であれば、例えばWARが役に立たないということを述べないといけないのです。

では逆に、打点やホームランよりもWARやRCを見る方が優れていることを、根拠をつけて述べてみましょう。

6人目の世界のダイナマン氏も述べていますが、野球は点を取り合い、その多さを競うスポーツです。
選手を評価する際の1つの考え方として、チームの得点にいかに貢献するか、を採用するのは自然なことです。

得点のプロセスを考えてみると、以下のようになります。
(1) チャンスを作る。あるいは、チャンスを拡大する。
(2) チャンスで打ち、点が入る

(1)も(2)も得点を挙げるということに対する貢献と考えられます。
さて、「打点」という指標を考えてみましょう。
この指標は上記の(2)のみを評価しており、(1)の貢献を無視しています。(1)のようにチャンスを作ることも価値の1つであるわけですが、全くカウントされていないわけです。
打点のみを崇め奉るということは、チャンスを作ることに価値を見出していないということになるわけです。
その一方で、チャンスでイチローが凡打しようものなら非難するわけですから、逆の言い方をすると本心ではチャンスという価値を認めていることになり滑稽です。

次にホームランを見てみましょう。
アンチの典型的な暴論の1つに、ホームランを打てば(1)も(2)も同時に満たせるのだから、ホームランを打てば良い、というものがあります。
確かにホームランを打てば(1)も(2)も満たせるのですが、ホームランのみが(1)や(2)を満たす方法ではないのです。ホームランのみを崇め奉るということは、それ以外による得点への貢献を無視していることになります。
例えば、2011年のメジャーリーグの統計を見てみましょう。
2011年の総得点は20808。ホームランの総数は4552でした(Baseball Referenceより)。つまり、ホームランで打者走者が記録した得点というのは、全体の4552/20808=21.9%に過ぎないわけです。残りの約78%は走者がいたからこそ入った得点です。ホームランのみを見るというのは、得点の観点から見ると、全体の約2割しか見ていないのと同じことです。

一方でWARやRCという指標は、打者の安打数、二塁打数、三塁打数、本塁打数、四死球数等々の基礎情報を元に、得点への貢献度合いに統計学的に換算して評価しようという指標です。
チームの得点にいかに貢献するかを評価する上では、打点やホームランのように一面的な指標よりも有用と考えられるわけです。

・・・と、例えばこのように論じることで、WARやRCが打点やホームランよりも優れていることに論拠を与えることになるのです。
もし、それでもWAR等が「都合の良いデータ」というのであれば、何故WARが役に立たないかを述べる必要があるのです。