昨日から草津に来ている。
理由は不思議な縁による。
一カ月ほど前のことである。以前訪問したことがある企業担当から電話がかかってきた。その企業のお客さんへWebプロモーションの提案を手伝って欲しいとのことだった。打ち合わせをしていると、商談スペースの横を年配の方が通りすぎた。
出会い頭、『お前名前はなんて言うんだ?』と一言。僕の目の前にいた担当が小言で言う。『うちの会社の会長です』
名刺交換をすると杉山敏隆と書いてあった。どうやら元総理大臣阿倍晋三の後援会会長でもあるらしい。
僕の真横に座り、僕の書いていたノートとペンを手繰り寄せる。生まれは?年齢は?出身大学は?生まれ?貯金は?矢継ぎ早に質問、いいや尋問が始まった。聞かれたことに答えていると、『お前気に入った。草津知ってるか?来月温泉に行くんだ。若いやつの交流の場にもしたい。予定空けとけ。いいな。』とニヤリッとした笑顔で言った。
普通初対面の人に、旅行に誘ったりはしないだろう。ましてや言葉は有無を言わさぬ物言い。憮然としてもおかしくない場面にも関わらず、僕は『わかりました。』と言ってしまったのである。話していたのはものの5分程度にも関わらずである。杉山会長の人間くさい人柄に興味を覚えたのだった。
昨日の朝8時45分東京の新丸ビル前からバスで草津を目指したのである。バスが動き出すと皇居の外堀沿いで土曜の朝からランニングに励む人が30人以上目についた。
バス内では参加者一覧が配られた。総勢45名近く。規模はどうあれ20名以上が企業の社長。年齢は上は71歳から下は25歳。一見何の集まりだか全然分からない。バス内では一人一人自己紹介を行った。やけに話し方がうまい人が数名いた。参考になった。
昼食は釜飯で有名な佐久の荻野やで食べた。昼からビンビールがふるまわれる。近くの席にいる人は自己紹介はしたとはいえ顔と名前がなかなか一致しない。会話は最初はぎこちなかった。それでも釜飯が旨かったので妙に急いでかけこんだ。
先はどうなるか全く読めない旅が始まったのだった。
