『人間失格』 著/太宰 治(新潮文庫)
- 人間失格 (新潮文庫 (た-2-5))/太宰 治
- ¥300
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今回はあえて太宰!
「恥の多い生涯を送って来ました。」
この言葉で始まる、16ビートの物語です。
この表現は、太宰ファンの皆様にはお怒りをかう可能性があると思いますが、あえてこの表現で僕は書きます。
太宰はロックなのです!
太宰はブルースなのです!
今更内容を紹介するのも今更どうかと思うので、あえてやめておきます。
正に「自我」と「非我」の一騎打ち!!
「太宰は高校卒業までに読め」
と高校一年生の時に言われて、必死に読み漁りました。
そして、一番初めに太宰に触れた本が、皆さんご存知の「人間失格」
この155ページのかび臭いロックンロールは、ものの見事に僕の目玉を突き抜け、脳みそを掻き回しました。
カートコバーンが去ってた後、僕が見つけたのは、トム・ヨークと太宰治でした。
高校時代なんてのは、一度は誰しも
「死にたい」とか
「自分なんて生きてる意味がない」
なんて悩んだりする時期があるものだと思います。
もちろん僕もその一人でした。
でも、心のどこかで
「そんな事で悩んでる俺ってどう・・・?カッコいいだろ・・・?」
なんて事を思いながら、あたかも自分が特別な存在であるかの様に、自分に陶酔していたのではないだろうか。
太宰の作品はこういった他人に踏み込まれたくないナルチシズムな部分に、土足でドカドカと入ってきます!
そして、私達に向かって
「お前だけが特別じゃない!みんな同じだぞ!」
と、我々をこねくり回して来ます。
当時も今もそうですが、毎日を生きていく中で、我々はどこかしら「道化」と化して
生きています。
本当はわかっている事を、わざとわからない振りをしてバカを演じたり・・・
傷つくのが怖いから、バカの振りをしたり・・・
責任を取りたくないから、無能を演じたり・・・
皆さんもそういった一面はないでしょうか?
この「人間失格」という物語は、失格でも合格でもない、何でもない一人の人間の物語なのです。
本棚に並んだ真っ黒な新潮社の背表紙を見るたびに、
「なにが生まれてすみませんだよ!」
って突っ込みたくなります。
『のぼうの城』 著/和田 竜(小学館)

¥1,575
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戦国期、天下統一を目前に控えた豊臣秀吉は関東の雄・北条家に大軍を投じた。
そのなかで最後まで落ちなかった支城があった。
武州・忍城。周囲を湖で取り囲まれた「浮き城」の異名を持つ難攻不落の城である。
秀吉方約2万の大軍を指揮した石田三成の水攻めにも屈せず、僅かの兵で抗戦した城代・成田長親は、
領民たちに木偶の棒から取った「のぼう様」などと呼ばれても泰然としている御仁。
城代として何ひとつふさわしい力を持たぬ、文字通りの木偶の棒であったが、
外見からはおおよそ窺い知れない坂東武者としての誇りを持ち、
方円の器に従う水のごとき底の知れないスケールの大きさで、人心を掌握していた。
武・智・仁で統率する従来の武将とは異なる、新しい英傑像を提示したエンターテインメント小説。
この本は文句なしで面白かった!
日本の歴史的には、そこまで有名な武将ではない「成田長親」の物語。
成田長親とは、当主・成田氏長の従兄弟で、無表情で、無駄に背の高い大男で、
のそのそと歩く姿から、「でくのぼう」を略して、当主の従兄弟であるのにも関わらず、
家臣はおろか百姓達からも「のぼう様」と変てこりんなあだ名で呼ばれているが、
本人は全く気にしていない。
本名で呼ぶのは、身内・重臣のみで、運動は滅法苦手な上に、
馬にさえ乗れない。 農作業が好きで、よく領民の百姓作業を手伝いたがるが、不器用なため、どちらかというと迷惑をかけている。
長親が百姓仕事を手伝うと、手直しに三日はかかるという・・・。
こんな感じで何をやってもうまくできない長親。
だからこそ長親は、領民からも部下からも、
「わしらがちゃんと見てやらんとどうしようもないなぁ」と、
お情けに近い状態で慕われているんです。
ですが、この「のぼう様」が完璧なキャラクターで、
元々映画化を意識しての作品とあってだけに、
登場人物のキャラクター達もかなり個性的で、
各々のファンなんかが出て来てもおかしくないほどです。
ちなみに・・・・・
正木丹波守利英(まさき たんばのかみ としひで)
成田家一の家老。長親とは幼なじみ。幼い頃見た、上杉謙信の姿に触発され、武芸の鍛錬に勤しんだ。
長親に潜在的な将器があるのではと思っている。
柴崎和泉守 (しばさき いずみのかみ )
成田家家老。筋骨隆々とした巨漢。20歳以上年の離れた妻との間に6人の子どもがいる。
丹波の持つ朱槍が欲しく、少年期から常に丹波と張り合っている。
酒巻 靱負(さかまき ゆきえ
成田家家老。22歳。「隙あらば襲ってみろ」と丹波にからかわれたことがあり、
所構わず頻繁に実行している。多数の兵法書を読み漁り、
自称・毘沙門天の化身だが、今回が初陣。
あらすじは、周囲を湖に囲まれ、浮城とも呼ばれる忍城(おしじょう)の、
領主が、こののぼう様なんです。
天下統一目前の豊臣秀吉は、関東最大の勢力北条氏の小田原城を落城しようとして、
豊臣側に抵抗するべく、北条氏政は関東各地の支城の城主に篭城に参加するよう通達する。
支城の一つであった忍城主の氏長は、北条に従うように見せかけ、
裏で豊臣側への降伏を内通し、篭城作戦に参加していた。
「武州・忍城を討ち、武功を立てよ」秀吉にそう命じられて、
豊臣の二万の大軍が押し寄せてきます。
その時なにを思ったのか、
こののぼう様は降伏するどころか、気の抜けた声で、
「戦いまする」
と戦うことにしてしまうのです。
総大将たる長親には、将に求められる智も仁も勇もない、正にその名の通り、
でくのぼうのような男。主だった将兵は小田原へ赴いていた。
三成率いる二万超の軍勢に、百姓らを徴発して二千強の成田氏。
果たして勝機はあるのか。
こんな感じのお話で文中に長親が言う言葉に、
「武ある者が武なき者を足蹴にし、才ある者が才なき者の鼻面をいいように引き回す。
これが人の世か。それが世の習いと申すなら、このわしは許さん」
これはカッコ良すぎます!!
かなりアガります!!
今までの歴史小説の次元を遥かに超えた作品です。
「坂東武者の槍の味、存分に味わわれよ」
『テンペスト(上下)』 著/池上永一(角川書店)

¥1,680
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『小説界をなぎ倒す嵐(テンペスト)襲来!ノンストップ王朝ロマン。
美と教養と見栄と意地が溢れる珊瑚礁の五百年王国は悩んでいた。少女まづるは憧れの王府を救おうと宦官と偽り行政官になって大活躍。しかし待ち受けていたのは島流しの刑だった--。見せ場満載、桁外れの面白さ!』
これはすんごい面白かった!!
池上先生はやはりすごい!
まさにフル回転!
でも、この本が本屋大賞4位がなぜだかわからない・・・。
僕の中では間違いなく大賞なのに・・・。
上・下巻とボリュームがあって読み応えも十分!
これを「長い」という人は、本好きとは言えない。
肝心の内容は、琉球王宮版「花ざかりの○たちへ イケメンパラダイス」
って言ったら怒られるかな(笑)
でも、映画化するなら、寧温/真鶴は絶対に堀北真希ちゃん (笑)
「秋の夜長に~」なんて悠長な事言ってないで、
わざわざ読め!