直木賞作家・道尾秀介作の『N』は、章ごとに上下反転する斬新な構成で話題を集めている作品。
6つの短編が緩やかに繋がり、好きな章から読むことができるという自由度の高い読み方も魅力の一つです。
悲しみと希望が織り成す、6つの物語
登場するのは、それぞれ異なる悩みや葛藤を抱えた人物たち。
殺人事件、家族の秘密、過去のトラウマなど、様々なテーマが描かれており、読者を飽きさせません。
1つの章を読み終えた後、次はどこを読むか?
章ごとに上下反転しているためやや読みにくさもあるが、同じストーリーでも読む順番が変わると全く異なる印象を受けます。
時間をおいて読み返しても、新たな発見があるかもしれません。
私の心をグサッと刺した場面(ネタバレあり)
私は、ある章で描かれた女の子の絶望的な状況に呆然としてしまいました。
いつの間にが感情移入し、幸せになって欲しいと願っていたのです・・・。
悲しみの中にも幸せな時間を過ごし希望を持った後には、絶望がより深く心に刻まれるのですね。
読む順番で印象が変わる部分でもあると思います。
あなたにとっての「N」とは?
『N』は、読者によって様々な解釈が生まれる作品です。
ぜひ、自分だけの順番で自分だけのストーリーを見つけてみてください。
2024年6月20日には文庫版も発売予定