実は、キミには内緒にしてきた、「女の子を知らず知らずのうちに『その気』にさせてしまう禁断のテクニック」があるんだけど…。
心の準備ができていないと刺激が強すぎるから、今はまだ聞きたくないよね?
…。
…。
…。
…さて。
キミはいまどんなことを考えているだろう?
photo by _KopaBill_
「おいおい!もったいぶらないで、早く話せよ!」
こう思った人も多いんじゃないだろうか?
もし…そう思ったんだったら、キミはすでにボクの術中にハマっているわけだ。
上記の文章は「ダブルバインド」というテクニックだ。
ダブルバインドとは、1956年にグレゴリー・ベイトソン(ベイツン)というアメリカの人類学・精神学者が提唱した理論だ。(ベイトソンのダブルバインド参照。)
本来は、「あるメッセージと別のメッセージが矛盾したコミュニケーションの状況におかれること」を言う。
たとえば、子供が、母親に甘えたくて近づいたときに、
子供:「抱っこしてー」(甘えたくて近づく)と怒られてしまう…というような状況のことだ。
母親:(家事をしていて)「もぉ、忙しいんだからあっちに行ってなさい!」
と、拒否されたとする。けれどもしばらくして
母親:「○○ちゃん、こっちにおいで。抱っこしてあげるから。」
(子供としては、さっき拒否されたのでそばに行かない)
母親:「早く!なんで言うこと聞かないの!もぉ…抱っこなんて絶対してあげないからね!」
言うことを聞いて「近づかない」ようにしたのに、「言うことを聞かない」と怒られる…。つまり、相手がどうしたらいいのか分からない状況を作り出してしまうんだ。
幼少期にこのような「ダブルバインド=矛盾したコミュニケーション」を繰り返し受けていると、拘束状態から抜け出せなくなって、悪いときには統合失調症に似た症状を引き起こすという説もあるほど、危険なコミュニケーションなんだ。
けれども実は、世の中に知られている「ダブルバインド」には二種類あって、催眠療法家のミルトン・H・エリクソンが、このダブルバインドを応用して、積極的に治療に役立てる方法を確立した。
ベイトソンの例は「否定的ダブルバインド」と呼ばれ、一方、エリクソンのダブルバインドは「肯定的ダブルバインド」または「治療的ダブルバインド」「エリクソニアン・ダブルバインド」と呼ばれ、区別されている。
そして、今回キミが身につけて実践するのは、エリクソンの「肯定的ダブルバインド」だ。(以下、ダブルバインドと記述。)
さて、話を戻すけど、さっきの
「女の子を知らず知らずのうちに『その気』にさせてしまう禁断のテクニック」があるんだけど…。という問いかけも、広義のダブルバインドだ。
心の準備ができていないと刺激が強すぎるから、今はまだ聞きたくないよね?
この問いかけで、キミに言いたかったことは、ズバリ「ボクの話を聴いてくれ」ということだ。
そして、キミはボクの意図したとおりに、
「話してくれよ!」
と、瞬間的に思ったはず。
この文章のトリックを、もう少し詳しく説明すると、
「心の準備ができていないと刺激が強すぎるから、今はまだ聞きたくないよね?」という部分がキモになっているんだ。
これは、「キミの心の準備ができていれば聞きたくなる」ということが“前提”になっている。そして、一種の“かまかけ”でもあるわけだ。
(そもそも、このブログを読んでいる人は「禁断のテクニック」を知りたいわけだから。)
さらに「今はまだ」と言っているということは、遅かれ早かれ、やっぱり「キミは聞きたくなる」ということが前提になっている。
つまり、「今はまだ聞きたくないけど、あとで聞きたくなる」「いや、あとじゃなくて今聞きたい」という選択肢ができて、どちらにしても「ボクの話を聞く」ということにつながるわけだ。
こんなふうに、ボクらが意図したことを“前提”として相手の潜在意識に滑りこませることで、女の子に否定させずに、まるで“自らの意思で”決断した、もしくは選択したと思わせるテクニックが、恋愛におけるダブルバインドの極意なんだ。