さて、昨日お話しした「ダブルバインド」の基本は、
「AかBか…どっちがいい?」
というものだ。
そして、Aを選ぼうがBを選ぼうが、どっちをとってもキミの意図したとおり…という状態を作るんだ。
たとえば、女の子とデートしたい場合、
「もし今日デートするなら、映画に行くのとお茶するのだったら…どっちがいい?」
と言えば、「映画」と「お茶」のどちらを選んでも、その女の子はキミとデートすることになる。
彼女のなかで「映画はまだちょっと…」と思わせることができたら、お茶をすることになるので、キミの勝ち。逆に、「お茶だと、まだ会話が弾まなそうだから、映画のほうが楽かな?」と思ったとしても、やっぱりキミの勝ち。
つまり、どちらか一方を否定したとしても、もう片方が選ばれれば、デートすることになるわけだ。
photo by Jeremy Choo
さらに、仮に
「“今日は”時間がないから無理」
という答えが返ってきたとしても、「“今日”じゃない日はOK」ということが前提になっているので、
「あはは。確かに“今日は”突然すぎるよね。じゃあ、いつだったら都合がいいかな?」
とたたみかけて、別の日を指定してデートすることも引き出しやすくするんだ。
これがもし「デートしようよ」という誘いであれば、女の子は「イエス/ノー」で答えることができるので、ノーを引き出してしまう可能性がある。(クローズド・クエスチョン)
けれども、複数の選択肢を与えられることで、女の子は自分で判断する…つまり、“自らの意思”で選択することになる。(選択の幻想)
今までお話してきたとおり、人は選択肢を提示されると、無意識に答えを選んでしまう心理が働く。さらに自分で決断したもの、自分で選択したものは否定しにくい(認知的不協和の解消)ので、彼女自身の選択の結果として、デートすることにつながるわけだ。
効果的なダブルバインドの“作り方”は、
1.まず最初にクリアしたいゴールを決める。(彼女にさせたいことや、聞いてほしいお願いなど)というシンプルなものだ。
2.そして、そのゴールを前提にした複数の選択肢(A,B)を用意する。
さっきの例であれば「デートすること」がゴールだ。そして、それが前提となるように「映画」と「お茶」という選択肢を用意するんだ。
知ってしまえば…ダブルバインドの構造自体は、意外と簡単だってことに気づいてくれたんじゃないだろうか?