ビーフカツを求め全国各地を彷徨う超変人の超マニアックなブログです。今回は『MUSIC編』。私のブログでは趣味である食と旅について書いてきましたが、もう一つの趣味である音楽については、食と旅以上にマニアックなので封印してきました。しかし、昨年、一昨年とコロナ禍の影響もあり自身の考え方が大きく変化し、私の好きな楽曲をご紹介しようと思い始め、このシリーズをスタートしました。
今日は、Bad Fingerの『Without You』です。
『Without You』は、1972年にアメリカのシンガーソングライターHarry Nilssonのバージョンで大ヒットし、全米、全英のヒットチャートでTOPに輝きました。このためHarry Nilssonのバージョンがオリジナルと思われがちですが、実はイギリスのロックバンド『Bad Finger』の作品なのです。
Bad Fingerは、ウェールズ出身のPete Hamとイングランド・リバプール出身のTom Evansを中心に1961年に結成され、当初のバンド名はThe Panthersでした。その後、The Iveysに改名し、1968年にThe Beatlesのアップルレコードからシングル『Maybe Tomorrow』をリリースしましたが、商業的には成功しませんでした。翌69年に再出発を図るため、John LennonやPaul McCartneyなどの提案で再度改名しBad Fingerとなりました。
『Without You』は1971年にリリースされた2枚目のアルバム『No Dice』に収録されましたが、イギリスでもアメリカでもシングルカットされず、一部のファン以外に注目を浴びることはありませんでした。このアルバムが発売された後からBad Fingerは、バンド内のトラブルや経理、マネージメント上の難題に巻き込まれ、Pete Hamは1975年に自殺しました。また、Tom Evansも『Without You』の印税のトラブルに巻き込まれ、1983年に自殺しました。
このMVは、1972年にイギリスのTV番組に出演した時のものですが、サウンドは口パクでオリジナル音源です。キーボードを弾きながらリードボーカルをとっているのがPete Ham、ギターを弾いているのがTom Evansです。Nilssonのバージョンも嫌いではありませんが、個人的にはBad Fingerのほうが断然好きです。
こちらは、大ヒットしたHarry Nilssonのバージョンです。
こちらは、AnnとNancyのWilson姉妹のアメリカのロックデュオHeartのバージョンです。1978年にリリースされたセカンドアルバム『Magazine』に収録されましたが、シングルカットはされていません。
次回は、明日4月1日(金)にスピンオフ編。ビーフカツからも他の食べ物からも離れ、東京都港区六本木の『毛利庭園』をテーマにします。