スピンオフ編~東京都墨田区錦糸町・太田道灌開基の日蓮宗の寺院『法恩寺』 | Love Beef Cutlet? Eternal Traveler~生涯旅人

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ビーフカツを求め全国各地を彷徨う超変人の超マニアックなブログです。今回はスピンオフ編。ビーフカツやその他の食べ物からは離れ、これまでの国内外の旅などで印象に残っているスポットなどをご紹介します。今日は、東京都墨田区錦糸町の『報恩寺』です。

 

 

最寄駅は

JR総武線、東京メトロ半蔵門線

『錦糸町』。

 

 

JR駅北口より徒歩10分

『蔵前橋通り』に面して

東京スカイツリーをバックに配した

参道が始まります。

 

 

50mほど続く参道には

『千栄院』、『陽運院』、『法泉院』、『善行院』の

4ヶ寺の塔頭がありますが

元禄時代には塔頭20ヶ寺、末寺11ヶ寺を

擁していたと伝えられています。

 

 

参道の突き当りには

簡素な造りの山門が控えています。

 

1458(長禄2)年

太田道灌が江戸城を築くにあたり

城内鎮護の祈願所として

武蔵国平河村(現在の皇居平川門辺り)に

建立開基した日蓮宗の寺院。

 

開山は日住上人で

当初は『本住院』と称していましたが

道灌の跡を継ぎ城主となった

嫡子・太田資康(法恩斎)の年忌に際し

孫の資高が寺号を法恩寺と改めました。

 

 

山門を入るとすぐ右手に

太田道灌の記念碑があります。

 

 

仙台石の記念碑には

道灌の山吹伝説の物語が

浮き彫りにされています。

 

 

境内正面には本堂が

・・・突き出ている尖塔は

東京スカイツリーの先端です。

 

開山当初は江戸城内にありましたが

徳川家康が江戸に入り城内拡大に当たり

1605(慶長10年)に神田柳原に移転し

1695(元禄8)年には幕府の命により

現在の地に移りました。

 

 

武士が開基した寺だけに

本堂も過剰な装飾はなく

正面には日蓮上人の座像が鎮座しています。

 

 

本堂の脇には

『平河清水稲荷』が。

 

 

江戸城内に平川と言う清流があり

当時その小川の畔の本住院(当時の旧称)の側に

稲荷の詞が祭られ平川清水稲荷と称えられていましたが

法恩寺境内にその碑往が伝えられ

現在でも由緒を物語っています。

 

 

祠を護る向かって右側の狛狐は

口に稲穂を咥え

足で秘鍵を守っています。

 

稲穂は豊穣の象徴

秘鍵は稲荷大神の宝蔵を開く鍵の象徴です。

 

 

左側の狛狐は

口に巻物を咥え

足で玉(宝珠)を守っています。

 

巻物は知恵の象徴

玉は稲荷大神の霊徳の象徴です。

 

一般的には

何れかの一つを咥えていますが

こちらの狛狐は

二匹で4つのシンボル全てを守る

珍しいパターンです。

 

 

平河清水稲荷の隣には『妙元廟』があり

始祖日蓮上人の立像が据えられています。

 

因みに『妙元』は『奥深いこと』を意味し

仏法が奥深いものであることを表しているそうです

さしずめ私など不妙元でしょうね。

 

 

山門の左手には鐘楼があります

『経石塔』とも呼ばれる三重塔は

1932(昭和7)年に建立され

2010(平成22)年に大改修が行われました。

 

 

鐘楼の脇、壁沿いには

『花塚』があります

・・・『花嫁』と呼んでしまった

あわて者は私でした。

 

1962(昭和37)年に

法恩寺の檀徒であった

華道の古流静昇会宗家中村理運氏の発願で

建立されたものだそうです。

 

 

花塚の隣には『はさみ塚』もあります

・・・由緒は記されていませんが

使い終わった挟みを供養するのでしょうか?

 

 

境内の奥には墓地があります。

 

 

墓地に入り真正面に見えるのが

太田道灌の墓所です。

 

墓碑が

3基の墓碑が並び

中央は開山の日住上人

・・・墓碑には『聖人』と刻まれています・・・

向かって左は法恩寺の歴代聖人のものです。

 

 

向かって右にある墓碑が

『道灌公墓所』とされています。

 

実際には

法恩寺が設けた五輪塔を

転用したと思われるもので

地輪には道灌を含む

太田氏七代の法名と忌日が刻まれています。

 

現在は『太田氏七代供養塔』と呼ばれ

墨田区の登録文化財になっています。

 

 

参詣を終え山門を出ると

来る時には気が付きませんでしたが

参道の終わりに立派な灯籠が2基ありました。

 

 

天保12年と刻まれていますので

奉納されたのは1842年

180年近く前のものなのですね。

 

 

最後に小ネタです。

 

法恩寺があるのは

東京都墨田区太平。

 

『太平』という地名は

開基の太田道灌の『太』と

山号の『平河山』の『平』を組み合わせたものです。

 

 

書き出すと長くなりますので

此処では割愛しますが

太田家と法恩寺の数奇な関係

ご興味ございましたらご参詣ください。

 

法恩寺

東京都墨田区太平1-26-16

 

次回は、本日15:00にオンストリート編。過去の旅などで脳裡に焼き付いている街角の光景をご紹介します。テーマは、中国遼寧省瀋陽市です。