スピンオフ編~東京都中央区・江戸時代と21世紀が混在する街『佃島』 | Love Beef Cutlet? Eternal Traveler~生涯旅人

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ビーフカツを求め全国各地を彷徨う超変人の超マニアックなブログです。今回はスピンオフ編。ビーフカツやその他の食べ物からは離れ、これまでの国内外の旅などで印象に残っているスポットをご紹介します。今日は、東京都中央区の『佃島』をテーマにします。

 

 

『佃島』は

隅田川の河口近くの

左岸に浮かぶ島。

 

現在の町名は『佃』ですが

子供の頃から慣れ親しんだ身には

いまだに佃島のほうがしっくりきます。

 

現在でこそ

タワーマンションが立ち並ぶ

近代的な街ですが

実は数奇な歴史を持つ地域なのです。

 

本日は

そんな佃島を散策してみます。

 

 

出発点は

東京メトロ有楽町線

『月島』駅。

 

 

6番出口から地上に上り

2~3分歩くと

現在の佃島を象徴するような

光景が現れます。

 

 

朱塗りの欄干の橋は

『佃小橋』。

 

現在の橋は1984(昭和59)年に

竣工したものですが

擬宝珠を設けるなどして

歴史的な意匠が施されています。

 

 

橋を渡った右側に

麗江』という広東料理屋があります。

 

とても美味しい店で

ランチタイムには行列ができます。

 

 

麗江を通り過ぎ

隅田川沿いの道に突き当たると

『佃まちかど展示館』が。

 

 

館内には

千貫神輿と二対の獅子頭が

展示されています。

 

ウェブサイトでは

通年開館となっているのですが

私が行くといつも扉が閉まっています

・・・日頃の行いの悪さ故でしょうか(?)。

 

 

佃まちかど展示館の斜前には

1837(天保8)年創業の

佃煮の老舗『天安本店』があります。

 

子供の頃

渡し舟に乗って

買いに来たものです。

 

 

天安本店から

展示館方面に戻り

隅田川沿いの遊歩道に出ると

桟橋のようなものがあります。

 

この辺りが

渡し舟の乗り場だったのではと

おぼろげに記憶しています

・・・あてにはなりませんが。

 

 

さらに進むと

朱塗りの鳥居が

・・・住吉神社参道の鳥居です。

 

 

だいぶ引き延ばしましたが

ここで佃島の数奇な歴史を。

 

佃と住吉神社で

あれっ?と思われた大阪の方も

いらっしゃるのでないでしょうか?

 

江戸の佃島の漁民のルーツは

大阪の佃村

現在の大阪市西淀川区佃にあるのです。

 

本能寺の変が起きた時

わずかな手勢で大阪にいた徳川家康は

決死の覚悟で

本拠地の岡崎城に戻ろうとしました。

 

しかし

神崎川に来たところで

船が無く進むことができなくなりました。

 

その時に

佃村の漁民たちが提供した船により

家康は川を渡り

岡崎に無事生還することができました。

 

のちに江戸に入った家康は

命を救ってくれた佃村の漁民たちを

江戸に呼び寄せ

特別の漁業権を与えました。

 

彼らが定住した島は

故郷の佃村に因み

佃島と名付けられました。

 

家康の死から30年経った

1646(正保3)年に

摂津国佃の住吉社(元田蓑神社)の分霊として

佃住吉神社が建立されました。

 

 

神社正面の石の鳥居には

全国でも珍しい

陶製の扁額が掲げられています。

 

1882(明治15)年に制作されたもので

額字の筆者は

有栖川宮幟仁親王です。

 

 

水盤舎は欅材の切妻造

瓦葺きの建物。

 

 

四方の欄干には

網を打つ小舟など

佃島の風景が彫られています。

 

 

水盤舎の裏には

二宮金次郎像が。

 

昔は

小学校の校庭などで見かけましたが

最近は見ないですね。

 

 

金次郎像の奥には

『鰹塚』なる立派な塚が。

 

1953(昭和28)年に

東京鰹節類卸商業協同組合が建立したもの。

 

鰹の御霊を慰霊するものとされていますが

鰹節業界のPRの側面もあったようです。

 

 

寄り道が長くなりましたが

こちらが本殿。

 

 

本殿の裏には

神社境内には珍しい

煉瓦造りの蔵があります。

 

1910(明治43)年の大規模修繕の際に

新築された神輿倉です。

 

 

神輿は現在

本殿右脇にある

風情も何もない

白いコンクリート造りの建物に

納められています。

 

 

側面からは

二基の宮元の神輿を

拝見することができます。

 

 

住吉神社の境内には

いくつかの小さな神社がありますが

長くなりますので

本日は割愛します。

 

脇の門から見た風景

やはりこれが現在の佃島なのですね。

 

タワーマンションが並ぶ

大川端リバーシティ21にも

綺麗な公園など見どころがあります。

 

 

隅田川の対岸で

生まれ育った身としては

複雑な気持ちもありますが

江戸時代と21世紀が混在した

現在の佃島には

新たな魅力と妙味を感じます。

 

みなさんも

是非ゆっくりとお訪ねください。

 

次回は、明日9月3日(火)に番外編。台湾基隆市の『広東麺』をテーマにします。