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Appleが素晴らしいと思うもう一つの理由

多くのプロダクトの場合、普及版とともに上位機種というものがあって、
その上位機種の場合、スペック上の上位ではなく、
位置づけの中で高級感という付加価値の中で設定されることが多い。
よって、セレブが乗るクルマ、セレブが済むマンンション、
あるいは、シリーズ内でも高級感をうたい文句にするラインが存在する。
しかし、Appleの場合、例えばiPhoneの場合でも、
八百屋さんも不動産ブローカーも、あるいはコギャルや海外セレブも、
同じiPhoneを使うことになる。
差があったとしても16ギガ、32ギガといった要領違い。
全面スワロ!というニーズはカスタマイズすることになるわけで、
基本はすべての人が階級を問わず、同じiPhoneを使うことになる。
その先、高額アプリが存在するかもしれないが、
そこに、僕は非常にピースなプロダクトの姿勢を感じる。
テクノロジーの進化、ユビキタスの完成型値が、
こうした様相を見せていることは素晴らしいことだと思う。
もう一つ、といってるので、メインは何かといえばやはりデザイン。
より、シンプルに、シンプルに洗練されながら、
ディテールの極端に細かい部分にデザインが施される。
そこに、愛情や思いやりに似た真心を感じるのだ。
褒め過ぎ?

バタフライ効果

家内に頼まれてお使いのようにペトボトルの蓋を大丸心斎橋店北館に持っていった。
「ペットボトルキャップ回収BOX」があり、これがリサイクル業者に渡され、
その対価が世界のこどもたちにワクチンに変えられるという。

*BCG(結核)ワクチン ⇒ 約190個

僕は100個くらいもっていたので、BCGワクチンの半分くらいは賄えたことになる。

バタフライ効果は、ある土地で蝶が一つ羽ばたくと、
その物理現象が他の自然現象と関与しながら世界の現象に関与するというもの。

ペットボトルを拾うという蝶のひと羽ばたきにも似たアクションが、
BCGのワクチンとなって、誰かの体を守ることだってありえるということ。

ピンクのパンダは可愛かったけど口が小さく、
100個詰め込むのが大変だった。
もう少し人々の善意を予想して、ペットボトルの回収口を
大きくしてみてはいかがでしょう?

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ペットボトルの蓋は集め始めると、それがなんとなくゲームになって楽しいようだ。
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(櫻井一哉)

サスティナブルと真実の未来

サスティナブルという言葉を使うなかで、未来はエコの志向に根ざした軽やかなイメージに彩られがちだけど、未来には環境破壊やエネルギー問題以外にも様々な課題が立ちはだかっている。
iPadなどの端末が繰り広げるユビキタスコンピューティング、高度ネットワーク化社会と経済危機、予想だにしない世界の様相が繰り広げられようとしているのだ。
この「21世紀の歴史」の存在は高城剛の「オーガニック」という新書で見つけたのもの。今という時代が抱えているリソースが現在の社会情勢のバイアスを受けて進化を、あるいは退化を遂げた、21世紀の半ばを中心とした世界の姿が描かれた興味深い書物だ。資本主義の変遷からアメリカ帝国の終焉、国家を超えた超帝国の出現、超紛争と超民主主義が不可思議なニュアンスを漂わせて出現。
その中で、次世代によりよい世界を遺そうとするトランスヒューマンと位置づけられる人々が愛他主義者として増殖すると書かれている。現代でいえばマザー•テレサのような人物だという。
“自分への愛から始まる他者への愛が、人類存続条件であることを、他者を通じて理解する”
トランスヒューマンにとって、他者とは自分自身の存在の証であり、孤独でないことを確認する手段なのだと本書では記されている。
本書の前半は世界の中心都市を軸に資本主義の変遷が描かれ、後半ではSF映画の時代背景やF.K.ディック、あるいは攻殻機動隊の社会のディテールのようにスリリングに描かれているが、どのテクノロジーも今、私たちの手元に実現しているものばかりで、それが集積されるとこうした不可解な未来が完成するということを認識させられる。
それならそれで、この本に描かれた未来よりも不可解なイメージを醸造させて、タフな21世紀をイメージすることが求められているように感じる。

21世紀の歴史――未来の人類から見た世界/ジャック・アタリ

¥2,520
Amazon.co.jp

メディアとして

ネットの進化やiPadなどの普及などによってメディアのあり方が変わろうと、
というか変わらざるを得ない状況に来ている。
雑誌メディアも次々と休刊になる一方、
そろそろ、インディペンデントなメディアの中で文章を認めていこうと決意する。
LOVEARTHCAMPはメディアとしてまだまだ未成熟なのだけど、
これをしっかりとした樹木のような情報のポータルに育てあげたいと思う。
僕自身は音楽ライターでもあるので、
そちらの情熱をLOVEARTHに。
今まで、聞けなかったエピソード、盛り込めなかった真実が、
我々のコンテンツの中で発露するように、
取り組んでいこうと思う。

櫻井一哉

「世界の終わり」@MINAMI FREAK

本日6月29日、心斎橋クラブクアトロで MINAMI FREAK という音楽イベントがあり、そのトリを務めたのが「世界の終わり」だった。Kylee、小林太朗、ほたる日和という注目株のアーティストが参加したが、
「世界の終わり」はファンの期待度も高く、圧巻だった。白色をさりげなくステージ衣装のカラーに選び、悪気無く病的なイメージをポップに見せる。何処まで確信犯でどこまで天然なのかわからない、そこに心の辺境を感じるグループなのだ。

CDやPVのようにどこかクールな印象があった彼らだが、ライブでは非常にフレンドリーでしずる感溢れるステージだった。
四ツ打ちのグルーブはリスナーのアドレナリンを流出され、「あなたが殺した」「病院で死んだ」といった不吉な言葉をポップに歌い上げる。その身も蓋もなく残酷で正直な世界観には飾らない優しさがあり、ニーチェの哲人の思想を伝えるなら彼らの歌だと勝手に感じた。そして、一つ一つの言葉を誠実に届ける深瀬君とリスナーの間には、精神病院体験がよくインタビューで語られる彼のイメージゆえか、まるでラポールが成立しているかのようだ。そんな特殊な共感が会場を不思議な色彩に染め上げていた。

命の尊さと生きる上での葛藤、残酷な真実との付き合い方、「世界の終わり」というネーミングに胡散臭さを感じた人も、一度彼らの音と言葉に触れてみてほしい。辻褄の合わなさを感情で調整する、その熱量に似たリアリティを感じ、そこに愛おしさを感じると思う。

世界の終わり - 虹色の戦争