「世界の終わり」@MINAMI FREAK | Lovearth Blog

「世界の終わり」@MINAMI FREAK

本日6月29日、心斎橋クラブクアトロで MINAMI FREAK という音楽イベントがあり、そのトリを務めたのが「世界の終わり」だった。Kylee、小林太朗、ほたる日和という注目株のアーティストが参加したが、
「世界の終わり」はファンの期待度も高く、圧巻だった。白色をさりげなくステージ衣装のカラーに選び、悪気無く病的なイメージをポップに見せる。何処まで確信犯でどこまで天然なのかわからない、そこに心の辺境を感じるグループなのだ。

CDやPVのようにどこかクールな印象があった彼らだが、ライブでは非常にフレンドリーでしずる感溢れるステージだった。
四ツ打ちのグルーブはリスナーのアドレナリンを流出され、「あなたが殺した」「病院で死んだ」といった不吉な言葉をポップに歌い上げる。その身も蓋もなく残酷で正直な世界観には飾らない優しさがあり、ニーチェの哲人の思想を伝えるなら彼らの歌だと勝手に感じた。そして、一つ一つの言葉を誠実に届ける深瀬君とリスナーの間には、精神病院体験がよくインタビューで語られる彼のイメージゆえか、まるでラポールが成立しているかのようだ。そんな特殊な共感が会場を不思議な色彩に染め上げていた。

命の尊さと生きる上での葛藤、残酷な真実との付き合い方、「世界の終わり」というネーミングに胡散臭さを感じた人も、一度彼らの音と言葉に触れてみてほしい。辻褄の合わなさを感情で調整する、その熱量に似たリアリティを感じ、そこに愛おしさを感じると思う。

世界の終わり - 虹色の戦争