「あるべき形」に傷つけられてきた大人たち | シンプルに暮らし、自由に生きるための、家と心の整えかた

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誰かに何かを証明するためでも、
お仕着せの価値観に従うのでもない、
自分らしい家と人生を作るためのヒントを伝えていきます。

こんにちは。森岡亜由美です。
 

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先日、「私の良い子」という本を読んで好きになった寺地はるなさん。

別の作品も読んでみたくなり、こちらを。

 
狙って購入したわけでもないんですが、
夫婦関係、地域の人との人間関係、男性と女性の扱われ方の違い…。
あまりにも私の実家方面の状況と似通っていて驚きましたが、
寺地さんの経歴を見たら佐賀出身とわかって納得しました。
(私は長崎出身ですが、お隣だとやっぱり地域性も似てるものなんだなあ)

 

作品の中で象徴的なのが、大人数が集まる宴会のシーンでした。

何十人分の料理やお酒の手配は女性がやり、

男性陣はずっと座って飲み食いするだけ。

準備も片づけもしなければ、冷蔵庫からビールを持ってくることすらしません。

そのくせ不手際があると、嫁をしっかりこき下ろします。

宴会のネタはその会に出席した誰かのプライバシーに関わる部分で、

とてもデリケートなことなのに、デリカシーも配慮もなく、ずかずかと踏み込んで、

単なる酒のネタとして親しくもない人に消費されます。

 

わかりすぎて笑えてしまいました。

私も幼い頃からそういう場面を親戚の中でも地域の行事の中でも見てきて、

そのたびに

「結婚するとはこういう扱いを受けることを受け入れることなのか…」

と思っていました。

女性というだけで下に見られ、結婚相手から命令される立場になるのかと。

自分の将来を考えたときに、子ども心にも怖かったです。

 

宴会にかぎらず、一事が万事こんなふうなので、

周りの大人の女性たちに対して、

こうなることがわかっていながら結婚したのはなぜだろう?

男性に差別されるような扱いを

どうして笑って受け入れられるのだろう?

と思っていました。

 

でも、笑って受け入れていると思ったのは勘違いでした。

下に見られることへの怒りや

何をしても認められないストレスはしっかり生まれていて、

別の場所で発散されていただけでした。(無意識に)

それが、子どもの成績や就職先などをネタにした

ママ友同士のマウンティング合戦になる人もいれば、

家庭内での子どもに対する八つ当たり(ひいては虐待)になる人もいれば、

宗教内でお布施の額で認められようとする行為になる人もいました。

全部セットみたいな人ももちろん。

「なあんだ」と思いました。

だから、子ども心に「結婚て救いがないなあ」とも。

(我が家は姉妹関係も弱肉強食的な感じだったからなおさら)

 

もちろん、男性だけが悪いというつもりもないです。

あまりにも子供のころからそれが当たり前になりすぎてて、

まさか自分が女性を卑しめてるとは思ってない人も多かっただろうし、

男性は男性なりに、家族を養わなければとか、

泣いちゃいけない、弱味を見せちゃいけないとか、

たくさんの抑圧があると思うから。

男尊女卑のなかで男性もまた、ありのままを否定されてきたんでしょう。

みんな、「当たり前」の中で苦しんでいたのだと思います。

 

とはいえ、私はそんな状況に恐れと抵抗感を持ちながら育ってきたので、

いわゆる適齢期になったとき周りが口をそろえて

「結婚しなさい」と言ってくるのを聞いて、本当に驚きました。

私は「結婚ていいな」「家族っていいな」と思ったことはただの一度もなかったし、

親世代にしても、祖父母の世代にしても、

周りの大人から「結婚して家庭を持てて幸せ」という言葉を聞いたこともなければ、

そういう雰囲気を感じ取ったこともなかったからです。

大人の男性もそうですが、大人の女性がそれを言ってくることも、理解不能でした。

何のために私を結婚させたいんだろう?

どうして私が結婚したいと思っていると思えるんだろう?

まさかと思うが、同じ苦しみを味わわせたいとか?

とぐるぐるしました。

 

 

でも、今ならなんとなくわかります。

みんな「あるべき形」に収まることが正しいと

信じこんでいただけだったのかなと思います。

それが「幸せの形」なんだと。

どんなにいびつでも、実体がそうでなくても、そう信じている枠の中に納まれば、

すごく幸せで満たされているかどうかはわからなくとも、

今より惨めで酷いことにはならないって思っていたのかなあと。

 

 

この本の紹介には

「恋愛や結婚、家族の『あるべき形』に傷つけられてきた大人たちが、

 もう一度、自分の足で歩きだす」

とあります。

このお話の中にでてくるのは、

「あるべき形」を大切にしている人たちの中で、

「自分」を大切にするためにもがいている人たちばかりでした。

ときには「あるべき形」に自分をはめ込もうとしたり、

「あるべき形」を押し付けてくる人に反抗して自己嫌悪してみたり、

孤独を引き受けるかわりに「あるべき形」から飛び出したり。

それは楽なことばかりではなく、痛みも悩みも涙もあって、

その人たちの姿に、ホッとしたり、慰められたりする人はいると思います。

私もそのひとりでした。

 

 

会社員で主婦をしながら作家になったという寺地さんも

きっと「あるべき形」とたくさん格闘したのかなと感じました。

いま「あるべき形」に悩んでいる方におすすめです。

 

 

 

 

 

 

 

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