久しぶりの更新が暗い話になるのは...と年末から踏ん切りを付けられずにいましたが、ちょっと吐き出さないともう無理だなと思ってしまったので、思いつくままに文字にしたいと思います。

 

 

早くも3週間が経とうとしているのだけれども、まだ受け入れられていない友の死がある。

 

「踏むとブレーキ。ズラすとアクセル。」高齢ドライバーによる事故と犠牲者を減らすことをミッションとしたバトン合同会社代表社員の荒田晃慎さんだ。

 

「ブラザー」

 

私のことをそう呼んでくれる、大切な友の1人だった。

 

 

  出会いは2018年のTEDxKumamoto

 

私たちは、熊本で唯一のTEDx「TEDxKumamoto」に2018年に登壇させてもらえることになり、ともにスピーカーとしてアイデアを出し合ったり、ダメ出しを受けたり、登壇が終わるそのときまで苦楽を共にしました。

 

 

すぐに意気投合できたのは、糖尿病の患者同士だったから。

 

もはや糖尿病の種類や治療法などは関係なく、彼の人となりを知れば知るほど「俺たち糖尿病仲間なんだよ」と言ってお互いの夢や活動を応援できる関係がとても心地良くなるばかりでした。

 

  怪我がきっかけで細胞が壊疽。右足義足の荒田さんの熱い思い。

 

彼は、ちょっとした怪我がきっかけで右足切断を経験し、初めてお会いしたときには既に義足でした。

 

登壇時に義足を見せるかどうか悩む姿も知っていただけに、義足を見せての堂々とした登壇は心に残っていますし、格好良かったです。

 

 

その登壇で伝えたことを有言実行し、「バトンペダル」の開発にも取り組まれていました。

 

 

  2022年に再会

 

観客として参加した2019年のTEDxKumamoto以来、直接顔は合わせられていなかったのですが、「バトンペダル」を触れるイベントがあると知り、妻と一緒にイベント会場へ。

 

 

 

ちょっと痩せられてはいたものの、元気な荒田さんに出会えてとても嬉しかったです。

 

その場で、日本IDDMネットワークに寄せられる企業からのインタビュー依頼にも協力してほしいなんてお願いをして、実際に2型糖尿病の患者としての意見出しに協力いただき、交流が深まった2022年でした。

 

  12/14 東京上京中に訃報が届く

 

エアロビックの国際大会、スズキワールドカップ2022の大会運営中だったこともあり、この日は忘れもしません。

 

お昼ごろ、TEDxKumamotoでサポートいただいたメンバーからメッセンジャーに投稿が入りました。

 

荒田さんが亡くなったこと、通夜と葬式の案内の連絡でした。

物理的に絶対に戻れない距離、昼休憩も分刻みで運営するスタッフが多数いる環境だったからこそ泣かずに動けたのかもしれません。

 

その日のホテル、帰りの飛行機、帰熊後の講演会、その日の寝室。

いたるところで泣きました。

今も泣いています。

 

 

  きっと笑って応援してくれている

 

新聞で糖尿病に関する研究成果などの記事を送ってくれていた荒田さん。

 

バトンペダルを取り付けた実車に乗せてもらうという約束は果たされぬままになりましたが、運転する喜びを多くの方にと懸命に活動されていた荒田さん。

 

 

きっと、「ブラザー頑張れ」と応援してくれていると思います。

 

いい報告ができるように、そろそろ前を向いてまた走り出したいと思います。

 

荒田さん、お疲れさまでした。