この場面を初見で観た時、「もう世の中の何も信じられない…」とヤケになった。
進撃の巨人で「推しキャラ」はダントツアルミンですが、ライナーも同じくお気に入り。
初見の予測では、ライナーは面倒見のいいお兄さんタイプで、もしかしたら…エレンや仲間を庇って命を落とすんじゃ…とハラハラしておりましたが…前言撤回!!!!撤回…撤回…撤回…撤回。←エコー
お前らが壁、壊したンかいっ!!!!
それが判明してから、納得いった点がいくつかありました。
ベルトルトがやたらに無口なのに対し、ライナーはやたら多弁だった理由とか。
訓練兵時代、ベルトルトは罪悪感を常に感じていたから、普通に振る舞えなかったンだなぁ…。
その反面、ライナーは超面倒見がいい上に、仲間からも慕われる世間的にも「いいヤツ」。
でも、潜在意識下ではたぶん罪悪感やら自己否定感やら「島の悪魔が実はそうじゃなかった事実」を受け入れきれないが故に精神が分裂を来していたことが判明し、超面倒見がいいヤツから、ファイナルシーズンになると「重度な鬱病キャラ」へと変貌していきました。
あれを見ていて思った。
ある意味ベルトルト、メンタル強いわぁ!
アニが憲兵団に入ったのは、エレンを連れ去る実行犯になるという動機もあったけど、訓練兵時代の仲間達と共にいることで罪悪感が刺激されるのも嫌だったンじゃないかな…と妄想してみたり。
アニが女型の巨人でエレンを捕らえきれず、森の中で涙を流しているのを振り返ると、そこにアニの本心が表現されているような気がしました。
それに比べると…もしかしたら、あの三人の中で一番正気を保っていたのがベルトルトだったンじゃないか~なんて気がするナイミンです。
って、いかん。ライナーの考察だった…。
まぁ、ライナーが壁を攻撃することを決断するに至った経過自体が…もうすでに「病みの兆候があった」のではないかと感じました。
だってさぁ…
1)マーレ人のパパに認めてもらいたくて巨人の継承者になったのに、パパに「クソ扱い」された。
2)普段からポルコに「落ちこぼれ」とバカにされていたところ、自分が鎧の巨人継承者になれたことでやっとつかんだ成功体験ヾ(≧∇≦*)/が、蓋をあけてみたらポルコの兄・マルセルによって仕組まれたことだった。
この時点でのライナーの心境:パパ、クソ扱いした。その上、俺せっかく巨人になれたのに、それがマルセルによって仕組まれてたってことは、「俺、やっぱ落ちこぼれ?! 生まれてこなきゃよかったクズ??」
3)しかもそのマルセルが、自分をかばって巨人(ユミル)に食われた。
この時点でのライナーの心境:Σ( ̄□ ̄;) ←ひたすらパニック
4)アニにフルボッコ!にされつつも、任務を中断して帰ろうとするアニを説得する。
この時点でのライナーの心境:なにがなんだか分からないままで、人生終わってたまるか!
この時点でのベルトルトの心境:もうやめてくれ…。(一番人間的反応)
ライナーにしてみたら、訓練兵時代にみんなに頼られたりお兄ちゃんのように慕われるのって…人生で初だったンじゃないかな…。
マーレでは落ちこぼれ扱いを受け、それでもパパと一緒に暮らすためにとひたすら頑張って来たのに、それなのにパパに「クソ扱い」され…ぶっちゃけ不幸すぎる。
マーレにいた頃はクソ扱い、反して、悪魔の島では兄貴分として慕われる。
そりゃ分裂もするワな。
いくら任務とはいえ自己肯定感守っていたいもんね…。
シーズン2「戦士」で「こんなハンパな奴らに囲まれてたから…」という場面あるけど、あれって本心じゃなかったンじゃないか…あれが本来のライナーではないんじゃないか、そんなふうに思った。
訓練兵時代、幸せだったんだよね、きっと…。
その幸せを守りたいから…そうなると分裂せざるを得なかった…。
いやも~。
そう考えるだけで、ホント、気の毒すぎる…。
その上、シーズン3・パート2ではリヴァイに首ぶっさされるワ、アタマ吹き飛ばされるワ、全身吹き飛ばされるワ…
普通どれか一回で死んでるから!
挙げ句の果てに、ファイナルシーズンで拳銃自殺をはかろうとするし。
その直前の、ライナーの回想。
エレンが「このままじゃ俺は、何も果たせず終わってしまう」と言った姿にかつての自分をかぶせ、「たたやるべきことをやる、ただ進み続ける、それしかねぇだろ」と答えた──その後で拳銃を口に入れる顛末。
いや、気持ちわかる…。
って、そこまでのどん底体験はないけど、ライナーの気持ちは推し量れる。
エレンにあんなこと言ったのに…結局、自分がやってきたことって何なんだ?!
そう思ったら、死にたくもなるよね…。
けど結局、ここでも死ねない。
もぉこうなると、死神にそ~と~嫌われてるか(デスノートに名前書いてもらったら?←いやそれ別作品…)、神様に「お前にはやることがあるぞよ~」って言われてるかの、どちらかしかない。※とどのつまり、作者に愛されているということだなぁ…。
でも、その後の展望をみると…いつでもライナーは誰かを庇ってる。
ファイナルシーズン・パート1では獣の巨人のジークが攻撃されるのを庇い、
パート2ではアニの攻撃を庇った。
彼は、真の「鎧(誰かを守る鎧)の巨人」になったんだよねぇ…。
それこそが、ライナーが目指している者だったンじゃないのかな。
「ただの戦士」ではなく、「誰か(或いは世界)を守り抜く鎧の戦士」。
いやぁ…これだけひとりのキャラクターを深掘り出来る作品、なかなかないわぁ~。